LARK A1 Duoを実機レビュー。6,600円で買える高音質スマホ用ワイヤレスマイク!

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2025年5月27日にHollylandからスマホ用のワイヤレスマイク「LARK A1」が発売された。

このLARK A1はスマホ接続に特化したワイヤレスマイクで、基本的にはマイク送信機2つと受信機(RX)1つがセットになっているが、接続端子や同梱物の違いによって複数ラインナップがある。

  • Duo Combo(USB-C RX + Lightning RX + Charging Case):9,900円
  • Duo(USB-C RX + Charging Case):6,600円
  • Mini Duo Type-C(USB-C RX):5,882円
  • Mini Duo Lightning (USB-C RX):6,824円

この度HollylandさんよりLARK A1 Duoをご提供いただいたのでレビューしていきたいと思う。

この記事の目次(クリックでジャンプ)

LARK A1動画レビュー

何も考えなくてもサクッと気軽に撮れるようになる

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結論から言ってしまうと、「普通に問題無いマイクだし活用するために何か撮ろう」と思わせてくれる完成度の高いスマホ用のマイクだ。

まず何より小さい。
「小さい」は正義だ。「軽い」も正義だ。

スマホで動画を撮るときに求めることは「手軽さ」だ。
その点スマホ用のワイヤレスマイクは手軽さに欠けていた。(個人的感想)

手軽さが武器のスマホ撮影に、わざわざ手間をかけてワイヤレスマイクを準備するのでは本末転倒だ。
それならミラーレスでちゃんと準備して音も画もちゃんと撮った方が良い。

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スマホ専用に設計されているから、受信機を取り付けたときの一体感が半端ない。

今までワイヤレスマイクをスマートフォンに接続するためには

  1. 受信機に出力用の3.5mmジャックに接続
  2. 3.5mm TRSをUSB-Cに変換
  3. USB-Cをスマートフォンに接続

少なくともこの3ステップは発生していた。
さらに、受信機をどこに置いておく問題もついてまわる。

それが、このHollyland LARK A1ではUSB-Cをスマートフォンに直差しして全てが解決する。受信機の置き場所問題も同時に。

後はマイクをつければ準備完了だ。
この手軽さならスマートフォンでの動画撮影でも積極的に使ってみたいとは思える。

USB-C接続だけなら6,600円はバグ

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スマートフォンで動画を撮ることはほとんど無いのに、今回レビューを受けてみようと思ったのはLARK A1の販売価格がバグっているからだ。

付属アクセサリーは最小限だったとしても、2波同時受信可能で販売価格6,600円は良い意味でバグっている。

個人的感覚ではあるが、未だに2波同時受信可能なマイクで言うと、SONYのUWPシリーズの価格感が抜けない。
使っている周波数がUWPシリーズはB帯、LARK A1は2.4GHz帯と異なるが、未だにこの感覚が残っている。

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だからこそ、「6,600円のマイクなんかおもちゃレベルなのではないか」という感覚も拭えなかった。

でも普通に使えた。いや、何ならマイク性能としては先日紹介したBOYAMICより良い可能性すらある…。

BOYAMIC-review-eyecatch

【BOYAMIC 試用レビュー】完全に想像以上の良い2.4Ghz帯ワイヤレスマイク

2025年3月26日

LARK A1の詳細

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スマホで動画を撮る人がスペックを気にするとは思えないが、一応詳細スペックを記しておく。
一番重要だと思われるのは連続使用時間だろう。

LARK A1 Duo Combo Duo Type-C Mini Duo Type-C Mini Duo Lightning
価格 9,900円 6,600円 5,882円 6,824円
接続端子 USB-C
Lightning
USB-C Lightning
音圧レベル 120dB
サンプリングレート 48kHz
ビット深度 24bit
ノイズキャンセリング 弱/中/強
最長稼働時間
ノイキャンオフ時
9時間
最長稼働時間
ノイキャンオン時
6.5時間
ゲイン調整(アプリ内) 6段階
最大伝送距離 200m
オンボード録音 ×

Mini Duo Type-C/Mini Duo Lightningに関しては充電器ケースが付属していないので注意。

また、専用アプリLarkSoundを介すことでEQ調整やリバーブの強弱など各種設定をより細かく変更することが可能だ。(後述)

LARK A1 Duoの同梱物

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今回提供してもらったのはLARK A1 Duo Type-Cというラインナップだ。
他のラインナップの場合は同梱物が変わるので注意して欲しい。

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Mini Duo系のラインナップだとチャージングケースが付属しないので注意して欲しい。
(チャージングケースが無くてどうやって充電するのか疑問でしかない)

ポーチに全てを入れて持ち運ぶ事ができるくらいコンパクトだ。

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チャージングケースは実測縦55.4mm 横76.1mm 受信機とマイクを入れた状態での重量は83.7g。
以前レビューしたBOYAMICはマイクを入れた状態では約280gほどあり、結構重さを感じていたが100gを割る重量であればほぼ負担にはならない。

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マイクと受信機も非常に軽量だ。
約4.3gの受信機はスマホに付けたところで全く負担になることは無い。

また、マイクも非常に軽量で実測7.9gは衣服に付けても、服がよれることが無いなので服の乱れを気にする必要も無いレベルだ。

マイクの装着は磁石のみ

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LARK A1のマイクは非常に小型で軽量だ。
ただし、磁石でのみ装着することが可能で、クリップや安全ピンなど磁石以外の手段は用意されていないので注意が必要だ。

割と磁石は強い方だと思うが、厚手の服や磁石の紛失には十分気を付けなければいけない。

また別途ラベリアマイクを接続することができないので、よくあるクリップや安全ピンで衣服に装着することも出来ない。

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LARK A1のマイクには1つのボタンとLEDが搭載されている。
このボタンを操作することで若干のモード変更をすることができる。

アプリ以外ではLEDでモードを確認するのみ

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LARK A1は専用アプリLarkSoundを介すことで全ての機能を制御することができる。

それ以外の方法としては受信基底面と送信機(マイク)正面にあるボタンを教えて各種モードを変える方法がある。

LARK A1受信機の設定

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受信機底面にある黄色いボタンを押すことで各種モードが切り替わり、同時にLEDの色と点滅パターンも変わる。

操作 機能 LEDカラー
1回クリック ノイズキャンセリングON/OFF ON:緑
2回クリック TX1のミュート
3回クリック TX2のミュート
3秒長押し ペアリングモード 青(早い点滅)

なお受信機と送信機が接続されていない場合は【青:遅い点滅】、正常に接続されている状態では【青:点灯】となる。

LARK A1送信機の設定

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次に送信機側の各種設定だ。こちらもマイク正面のボタンを押すことでLEDが変化し状況が変わる。

操作 機能 LEDカラー
1回クリック ノイズキャンセリングON/OFF ON:緑
2回クリック ミュートのON/OFF ON:赤
3回クリック 録画スタート/ストップ
3秒長押し 電源ON/OFF
6秒長押し ペアリングモード 青(早い点滅)

録画スタート/ストップに関しては、対応アプリであれば録画が開始される。
例えばPixel 9 Pro XLでは純正のカメラアプリだと、録画が開始される。録画中にもう1度クリックすると録画が停止する。

ただしRecorderアプリではその動作は機能しなかった。対応はカメラ系のアプリに限られるかもしれない。
あくまでアプリ制御であり、本体に録画するオンボード録音ができるわけではないので気を付けよう。

LARK A1の音質テスト

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ダラダラと前置きを話してきたが、実際の音質を聞いてもらおう。
同じくスマホ接続が可能な以前レビューしたBOYAMICを比較対象としてテストしてみる。ゲイン調整のみおこないその他は無調整の音源となっている。

※Pixel 9 Pro XLのRecorderアプリにて収録。
【LARK A1 ノイズキャンセリングOFF】

【BOYAMIC ノイズキャンセリングOFF】

デフォルトでは若干BOYAMICの方がゲインが小さい。
編集ソフト上ではLARK A1をゲイン+6dBし、BOYAMICは+dBしている。

音質に関してはどちらもあまり差を感じられない。
気持ちLARK A1の方が音に厚みがあるような感じがあり、個人的にはLARK A1の方が聞き心地が良いと感じる。

LARK A1ホワイトノイズチェック

先程はエアコンが効いた部屋にて収録したが、次はエアコンもついていない部屋にて無音状態を収録する。
同様にLARK A1は+6dB、BOYAMICは+16dBしてどこまでホワイトノイズが乗るかをチェックしていく。

※Pixel 9 Pro XLのRecorderアプリにて収録。
【LARK A1 ノイズキャンセリングOFF】

【BOYAMIC ノイズキャンセリングOFF】

若干BOYAMICの方がホワイトノイズが少ない印象だが、LARK A1も全く問題ないレベルのホワイトノイズだろう。
どちらのマイクも喋り手の音声が入っていたら気付かないレベルだろう。

専用アプリLarkSoundで制御した場合

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専用アプリLarkSoundをインストールすることで本体ではできない細かい設定を変更することができる。

LARK A1を接続した状態でLarkSoundを起動すれば自動的にペアリングされステータスを表示してくれるようになる。

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【Mic 1/Mic 2】
マイクそれぞれのレベルメーター

【NCレベル】
ノイズキャンセリングのON/OFF(弱/中/強)

【音量調整】
入力のレベルを調整

【録音ロード】
入力をモノラルにするかステレオにするか

【リバーブ調整】
リバーブのON/OFF(小/中/大)

【マイク認識】
Mic1/Mic2のインジケーターカラーを別々にする

【電源スケジュールを立てる】
ペアリングしていない場合、自動的に受信機とマイクの電源をオフにする。

【インジケーターランプスイッチ】
マイクのLEDの点灯をON/OFFする

ステレオにして収録するとLチャンネルにMic1 RチャンネルにMic2の音声が入力される。
後からの編集でMic1とMic2を個別に音量調整したい場合はステレオにしておくと良いだろう。

ステレオ状態で片方のマイクしかペアリングされていない場合は、片方のチャンネルにしか音声が入力されないので注意。

またこれはバグなのか分からないがステレオ状態でリバーブをONにすると、Mic1/Mic2両方とも左右のチャンネルに音声が入力される。

音量調整による違い

音量調整のパラメーターを変更した場合の音量の差。収録した音声を調整なしで掲載。
【音量調整 <1> 】

【音量調整 <2> 】

【音量調整 <3> 】

【音量調整 <4> 】

【音量調整 <5> 】

【音量調整 <6> 】

だいたい“1”ステータスが変化すると6dB前後音量が変化する様な印象だった。

EQ調整による違い

音量調整のパラメーターは6でゲイン調整はせず撮って出しで掲載。

【EQ調整<ロー>】

【EQ調整<ハイ>】

このEQ調整がどの様な挙動をするのかが分からなかったが、恐らく聞いた感じでは

  • ロー:低音域の強調
  • ハイ:高音域の強調

このような実装になっているのではないかと予想できる。

リバーブ調整による違い

【リバーブON<小>】

【リバーブON<中>】

【リバーブON<大>】

総じて言える事だが、使うタイミングが分からない。
収録時点でこんなエフェクトを追加されてしまったら、後から戻したいと思ったときにどうしようも出来ない。

とはいえこんな「後から編集するかも」と考える事自体スマホ撮影においては不要な考えなのかもしれない。

BOYAMICとLARK A1の比較

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僕が所有している中で、スマートフォンに接続可能なマイクは先日レビューしたBOYAMICのみだ。

このBOYAMICとLARK A1を比較した違いを挙げていく。

LARK A1はスマホ用としてのデザインは完璧

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BOYAMICもスマートフォンに接続可能だが「専用設計」ではない。
そうなったときにスマホ用で専用設計されているLARK A1は完璧な接続体験を提供してくれる。

BOYAMICは受信機が出っ張ってしまい少し重量感があるが、LARK A1は軽量でかつ一体感があるため全く邪魔にならない。

スマホへの接続性で見ると圧倒的にLARK A1に軍配が上がる。

音質に大きな差は無いがLARK A1の方が手軽

音質に関してはLARK A1もBOYAMICも大きな差を感じられなかった。
逆に言うとBOYAMICは2万円台のマイクで、LARK A1は6,600円のマイクだから脅威的だ。

BOYAMICは受信機側でマイクの設定変更を可能だ。
LARK A1は専用アプリLarkSoundで設定を変更する。

好みの問題でどちらも良し悪しあると思うが、設定項目の少なさからスマホで動画を撮りたい人はシンプルなアプリで制御出来るほうが直感的で分かりやすいだろう。

LARK A1の悪いところ

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そもそも普段から僕はスマートフォンで動画撮影をしない。

若干スマホ用マイクに対してアンチ寄りのポジションである前提で聞いてほしい。
悪いところは重箱の隅をつつく形になるかもしれないが、それが気にならない人であれば普通にオススメできるマイクだ。

という前提で続きを見て欲しい。

マイクのボタンを押すときLEDが隠れる

マイク側のボタンを押すことで、ミュート・ノイズキャンセリングON/OFFなどが出来る。
そしてその状態をLEDの色で表示している。

しかし、マイクのボタンを押している時は基本的にLEDが隠れてしまう。
毎回指を離してLEDが何色か確認して現在のモードを確認する必要がある。

ボタン上にLEDを配置する必然性がないのであれば、マイク上部に縦でLEDを配置するなどLEDの場所は改善の余地があると感じた。

磁石を無くしたら終了

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LARK A1のマイク装着方法は磁石で衣服を挟むのみだ。
クリップなどが無いため、磁石をなくしたら取り付ける手段がなくなるということだ。

そして厄介なことに磁石はそこまで強くない。
通常使用している分には全く問題無いが、割とすぐ外れる様な印象だった。

少し激しい運動をする撮影の場合は注意が必要だ。
また、厚手の洋服となると貼り付かない可能性もあるので冬場は特に注意が必要だ。

ロゴやLEDがムダに目立つ

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マイク正面にはロゴ及びLEDが配置されている。これらが目立つのがマジで嫌いだ。

別途ラベリアマイクの接続もできない。
そのためカメラに対して真正面にロゴとLEDがガッツリ向いてくる。

この手のマイクで一向に改善されない最悪のデザインと言っても良い。
黒のつや消しマスキングテープで前面を完全に覆ってしまえば少しマシになる。

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苦肉の策でしかないが、本当に気になったらこの対策を取るのも手段の一つだ。

だからこそ、LarkSoundLEDが消せるインジケーターランプスイッチは凄く良い機能の一つだ。

LARK A1の良いところ

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今回提供してもらったLARK A1は、僕にとって初めての「スマホ専用」ワイヤレスマイクだ。

以前まではカメラでも使えるものをスマホに接続して使っている事が多かった。
専用設計になっていることでこんなにも違うのか?と感動もした。中でも特に良かったことを挙げる。

オートリミッターがかなり優秀

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LARK A1にはオートリミッターといって、突発的に大音量の入力が入っても自動的にリミッターを当ててクリップすることを防いでくれる。

このオートリミッターがかなり優秀で驚いた。

実際に突発的な大音量の入力を出すテストをしてみた。

【LARK A1】

【BOYAMIC】

このようにBOYAMICではクリップしてしまっているが、LARK A1ではクリップしないで音質を保っている。

これは余計なことを考えずに撮影に集中したいスマートフォンで動画を撮影する層のニーズに応えているだろう。

マイクの接続も簡単、ゲイン調整もほぼ必要無し。となればスマートフォンでマイクを使った撮影のハードルも大きく下がる。

スマホ接続時の一体感

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「これがスマホ専用たる所以か」とスマートフォンに接続したとき驚く程の一体感だった。

受信機をどこに固定しよう?などと考える必要すら無い程の一体感。もはやメーカー純正なのではないか?と思えるほどスマートに接続することが出来ている。

スマホ専用であればこの程度は当たり前なのかもしれないが、個人的には装着時のスッキリ感には驚かされた。

充電しながら使用可能

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受信機のスマートさに感動している一方「充電しながら使えないんじゃないか?」という考えが頭をよぎった。

そんなスマホ専用ワイヤレスマイク初心者が考えることはメーカーも対策済みだ。

受信機左側面にUSB-C端子があり、充電しながら使用することが出来る。

つまりほとんど無いとは思うが、長時間の撮影も充電しながらおこなうことが出来る。抜かりがない。

まとめ

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「スマホ専用」だからといって音質が悪いわけでもない。

販売価格6,600にも関わらず非常に優秀なオートリミッター。

ワイヤレス接続のために難しいセットアップは省きたい。
大きな声で騒いだけどちゃんと音は録れていて欲しい。

6,600円と非常に安いのにこれらのニーズには応えている、非常にコスパの高い製品だった。

価格の安さは手を出しやすくしているし、製品の軽さは持ち運びをしやすくしている。
これからスマホ用のワイヤレスマイクを買って撮影していきたいという人にはとても良い製品だろう。

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