僕が普段の撮影でメインに使っているカメラはCanon EOS Rです。
以前にも動画用途なのにLUMIX使いの僕がCanon EOS Rを購入した理由。というブログ記事をアップしました。まだ読まれていない方は読んでいただけると幸いです。
合わせて2022年1月現在フルサイズミラーレス用としては唯一無二のF2.0で28mmから70mmまでをカバーするf値通しのズームレンズRF 28-70mm F2 L USMのレビューも行っていますのでそちらも見て頂けると嬉しいです。
ということで、以前までは動画機としてLUMIXをメインで使っていたのですが今ではCanonに完全に鞍替えをしています。そんな僕がこの度晴れて、CanonのハイアマチュアモデルEOS R5を購入しました。
発売自体は2020年7月なので今更感満載ですが、購入したEOS R5の使用レビューをしていきたいと思います。
とはいえ、やはり発売から既に1年半以上経過している機種を今更普通にレビューしたところで何の意味もありません。今回はEOS R5を動画目的とし、さらに業務用の周辺機器などと連携させた上でマニアックな検証やレビューをしていきたいと思います。
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目次
EOS R5の概要
Canonが2020年7月30日に発売を開始したフルサイズミラーレス一眼カメラ。
特徴としては
- 約4500万画素の高画素
- Canon初のボディ内手ぶれ補正機構
- レンズ協調制御と合わせて最大8段分の手ぶれ補正
- ミラーレス一眼として世界初の8K 30fpsのRAW収録を実現
- フルフレーム8.2Kオーバーサンプリング4Kの収録
Canon渾身の技術がこれでもか?という程に詰まったミラーレス一眼として満を持して発表・発売されました。
発表当時は他社の追随を許さない圧倒的なスペックとして騒がれました。但し、宣伝文句とは裏腹にいくつかユーザーの期待を悪い意味で裏切る形となりました。
動画機として抱える問題点
満を持して発売されたEOS R5ですが発売直後、主に動画の機能面において様々な問題が発覚しSNS各所を賑やかにしてました。
8K撮影における熱問題
世界初の8K 30fps RAWを撮影と大々的に宣伝したのにもかかわらず、実際に撮影できるのは排熱処理の関係で15分〜20分程度。コールドスタートの最もコンディションが良い時だけが最長で約20分。
以降、徐々に熱が蓄積されていき一番最初の連続撮影20分をおこなった後は、15分・10分・5分と次々と短くなり、最終的には1分未満まで短くなった後強制的にシャットダウンします。
8Kという画像処理エンジンに負担がかかる処理を行わせているため、連続撮影自体は20分程度にとどまるのは仕方ないとはいえ、その後の連続撮影時間が大きく短くなるのはユーザーとしては想定外だったと言わざるを得ません。
全画素読み出し以外の画質が悪い
EOS Rでは4K撮影時に1.7倍クロップされていました。このEOS R5/R6では初めてノンクロップで4Kが撮影できる様になりました。
そして、4K撮影には通常(多分ピクセルビニング)の4K 30fps/4K 60fpsはクロップこそ無いが画質が悪い。画が眠たい。という新たな問題を抱えた。
同じ4Kでの撮影であればm4/3機のGH5 GH5Sの方が画質面では完全にキレイという残念な結果になっています。
8.2Kオーバーサンプリング4Kという高画質モードで撮影することでこの問題を解決できますが、コレは4K 30fpsまでという制限付き。
必然的に4K 60fpsで撮影したいユーザーはピクセルビニングによる、若干画質の劣ったモードでの撮影を強いられる状況となってしまいました。
全画素読み出しにおける熱問題
結局また熱の問題です。
前項で全画素読み出しで無ければ画質が悪いという点から、全画素読み出しの4K 30fpsで撮影を行う。
しかしその結果、連続撮影時間はコールドスタートで最初が約25。
これも8K RAW撮影時と同様に徐々に撮影可能時間は短くなり、最終的には強制的にシャットダウンを余儀なくされるという仕様。
結論:EOS R5は動画機に向いていない
結果として上記の問題を解決することが現時点では不可能であるため【EOS R5は動画機としては向いていない】と言わざるを得ない。
音声についても何故かEOS R5はモノラルマイクとなっており、マルチインターフェースシューを搭載しXLR端子も外付けできるSONYのミラーレス一眼に比べて明らかなウィークポイントと言われても仕方が無い。確実にSONY a7S IIIが幸せになれる選択肢である。
そんな欠点があり尚且つ代替機種としての選択肢もあるにも関わらずあえてこのEOS R5の購入を決意した次第です。
EOS R5を購入した理由
そんなに動画性能に関して明らかなウィークポイントがあるにも関わらず何で買ったの?という話ですが、これにはいくつかの理由と個人的な好みがあります。
理由1:4Kをノンクロップで撮影したい
今回EOS R5を購入する前まで僕は自分のYouTube動画をEOS Rで撮影していました。
先程もお伝えしましたがEOS Rでは4K撮影時、1.7倍クロップという形になります。つまりAPS-Cカメラ以下のセンサーサイズとなってしまいます。
センサーサイズが正義ではないが、やはりフルフレームの画質に比べると劣ります。
またクロップされる特性上、広角での撮影に制限が入ります。
2022年時点でそもそも4Kが必要か?っていう話は今回は関係無いので省略させていただきます。
8Kは夢がある
これもそもそも論8Kが必要か?という話は無しで。
とにかく8Kで自分の好きな映像を残せるということ自体にロマンがある。どこかに旅行に行ったり自分のお気に入りの場所に行ったり。そういった場所での映像を8Kという形で残せることにロマンを感じる。
またあまり推奨する使い方では無いが、最終出力が1080pの場合、8Kで撮影しておいて後からデジタルズームを使い多様性を広げるという使い方もできる。
ぜひサンプルとして8K RAW動画を撮影したサンプルを用意するので見ていただきたい。
2022年1月25日 8K 30fps RAW撮影のサンプル追加
写真も撮るハイブリッド使用
動画機としての前提を話しているのに写真を話を出してしまい軸がブレるが、個人的には趣味程度の写真を撮影する。そうなった時に、動画も写真も両立できる都合の良い機種が欲しかった。
もちろん写真を撮影する機会は多くは無いがふとどこかに出掛けたとき、自分の使い慣れた写真性能がそこそこの機材があるとその旅を有意義にすることができる。
EOS Rではあるがここ最近で最もお気に入りの写真を1枚だけ載せておく。EOS RにRF70-200mm F2.8 L IS USMを組み合わせて撮った写真である。
【画像をクリックで拡大】
ピントが右肩に合っててて目には合っていないけどそれは突っ込まないでください。
RF28-70mm F2のレンズを使いたい
EOS R購入のタイミングで同時に購入していたRF28-70mm F2 L USM
このレンズはズーム全域でF値通しの大変素晴らしいレンズです。
このRF28-70mm F2 L USMにはレンズ内手ぶれ補正(IS)が搭載されていません。そのためEOS Rの時は色々と苦い思いをしてきました。
手ぶれ補正が無いレンズではありますが、このRF28-70mm F2 L USMとEOS R5を組み合わせると最高8段分の補正効果を得られます。それを使ってみたかった。
単純にCanonが好き
僕のカメラ歴はまだ3年か4年程度です。一番最初に自分の一眼レフ機を持ったのがEOS Kiss X7でした。それ以降なんとなくCanonが好き。という状態が続いています。
動画機としてのEOS R5との付き合い方
色々とデメリットは分かった上での購入。文句ばかり言っていても仕方がないです。
デメリットを分かった上で如何にそれと付き合っていくか?如何にデメリットに向き合っていくか?それによって質と生産性を高めていくのが僕のスタイル。
一つずつデメリットに対して向き合って、それを受け入れて行く方法を見つけていきます。
現状把握と対応策を考えなければいけない事象は大きく2つ。
- 熱問題に対して
- 音声問題に対して
これらに対する【現状把握】と【対応策】を考えて行く。
熱問題に対して
EOS R5を動画機として使うにはこの問題を切ることはできません。まずこの問題を極力解決する策は無いものか?それを考えていきます。
現状僕の使用状況において発熱が問題となる環境は2つ。【8K RAW撮影時】及び【高画質4K撮影時】の2パターン。
熱問題に関してはこの2つの撮影時における現状把握と対応策を考えれば良いということです。
8K RAW撮影時
8K RAW撮影時はコールドスタートで連続撮影時間は約15分。以降15分フルで撮影後は徐々に撮影可能時間が短くなるか温度上昇に伴い強制シャットダウン。
完全に使用環境に左右されてしまうため他の人には全く当てはまらない対策だが、
結局8Kに関してはここに落ち着きました。
例えば8K RAWでインタビュー撮影をするか?
⇒いいやしない。
例えば8K RAWでイベントのPVを作るか?
⇒いいやしない。
自分が行った先で8K RAWの撮影をするか?
⇒多分する。が、1分以内のカットを沢山撮るスタイル。
冒頭で出した作例は8K RAWのカットを数十個。長くて2~3分。そのほとんどが30秒以内のカットでした。
それでいて1時間ほど撮影スポットを見つけるため、ウロウロしては撮る。ウロウロしては撮る。の繰り返し。
その状態で最終的に表示されている連続撮影時間は10分程度。うん。問題無い。
僕の用途では8K RAW撮影時に温度上昇に伴うシャットダウンは発生しないことが分かった。
※但しこの検証は1月~2月の冬季に行われました。真夏の炎天下では更に状況が変わる可能性は大
4K高画質撮影時
発熱の問題は8K RAWだけに限らない。
恐らく【センサー全域から全画素を読み出す】この処理に画像処理エンジンに大きな負担がかかっていることが予想される。
その結果8.2Kオーバーサンプリング4Kいわゆる4K高画質モードにおいても同様の熱問題が発生する。
8K RAW撮影時ほどではないにしろ発熱は問題です。
4K高画質撮影をやめる
【全画素読み出し】を行うから画像処理エンジンに負担がかかり発熱する。であれば全画素読み出しをやめれば良いのではないか?という話です。
結論から言うとこれはあり得ない。
なぜなら、【通常の4K撮影】と【4K高画質撮影】では画質に雲泥の差が出てくるから。
これはYouTubeチャンネル よっちゃん宇宙カメラ雑楽談のよっちゃんさんが詳しく、そして細かく解説しているのでぜひ見て欲しい。α7SIIIは所有していないが、EOS R5における通常撮影と高画質モードでは僕もほぼ同じような印象を受けました。
この様にEOS R5は4K 60fps での撮影時における画質の劣化が著しため個人的には使用するに耐えられない。
※拡大しないと分からないという指摘は受け付けない。
Shogun7で外部収録する
今回は最終的にはこの方法に落ち着いた。
ただしあくまで自分の撮影用途の場合は。という話になってきます。
何かPVを撮影するとなった場合は進行に限りがあるためこの限りではないけれども、今のところこの方法で自分のYouTube撮影及びクライアントの撮影は対応できている状況です。
ちなみにここで言う【外部収録】に使用している収録機材は後述の問題からATOMOS Shogun7を使用する形にしています。
収録を外部にすることで、ボディ内撮影よりも発熱を抑えることができます(たぶん)。これについての詳しい検証は後述しようと思う。
音声問題に対して
EOS R5の音声収録は何故かモノラル。しかも3.5mmジャックでの入力に限定され、LUMIXやSONYのマルチインターフェースシューには対応していません。
GH5/GH5Sを使用していた時はDMW-XLR1というXLR端子を接続出来る拡張デバイスを使用していたため、XLR端子のマイクが非常に多いのが現状。そして3.5mmジャックでの入力に比べXLR端子での入力の方が音質も上。
なんとかしてXLRマイクを入力したいと考えた結果Shogun7を使って外部収録する。という結論に至りました。
僕が所有している外部収録機器は【Blackmagic Video Assist 5′ 12G HDR】【ATOMOS NINJA V】【ATOMOS Shogun7】の3機種です。
このうち外付けでXLRマイクを接続することができるのがATOMOS Shogun7のみとなっているため、外部収録は熱・音声共に条件をクリアできるShogun7で行う形になります。
EOS R5+Shogun7で外部収録する時の注意
発熱対策及び高音質収録のためにShogun7で外部収録をすると言ってもすんなりとはいきませんでした。
それぞれより良い環境へ最適化するために色々と試行錯誤が必要です。その紆余曲折を記載していきます。
今回検証したEOS R5のファームウェアバージョンは1.5.0だ。
また、背面液晶モニターを撮影する都合上モニターをオフにする時間は最長にしてある。
映像収録時の温度上昇傾向に関して
4K高画質モードでの撮影は本体で行うと強く発熱します。ではHDMI出力だけならば発熱はしないのか?残念ながらそんなことはありませんでした。
一切操作せずただ4K高画質の映像をHDMIから出力しているだけでも発熱するということが分かりました。
HDMI出力時における熱傾向
まず対策を取るには傾向を知る必要があります。4K高画質HDMI出力時における発熱の傾向と温度上昇の推移を調査しました。
今回の測定は室内、室温約18℃の環境下で行っています。
コールドスタートで25分撮影可能
十分に本体を休息させた状態で起動直後の背面液晶をモニタリングしていきます。
HDMI出力経過時間:00分00秒
撮影可能時間:25分00秒
6分16秒後 撮影可能時間20分
開始から6分16秒後、残りの撮影可能時間が20分となった。もちろん本体内での収録は行っていない。通常のボディ内収録に比べると+1分程のマージンを得られている状況。
HDMI出力経過時間:06分16秒
撮影可能時間:20分00秒
撮影可能時間が5分減るのにかかった時間:6分16秒
13分01秒後 撮影可能時間15分
13分経過したタイミングで残り撮影可能時間が15分となった。残り撮影可能時間が20分⇒15分へと変化するのにかかった時間は約7分。
ボディ内撮影を行った場合は13分経過し残り撮影可能時間は約12分となっているハズだが、HDMI出力による外部収録では15分撮影可能。+3分のマージンを得られている状況。
HDMI出力経過時間:13分01秒
撮影可能時間:15分00秒
撮影可能時間が5分減るのにかかった時間:約6分45秒。
19分46秒後 撮影可能時間10分
約20分経過したタイミングで残りの撮影可能時間が10分へと変化した。残り撮影可能時間が15分⇒10分へと変化するのにかかった時間は約6分45秒。
現時点で通常通りボディ内収録を行った場合は19分撮影している計算となるため、予想残り撮影可能時間は6分となる。+4分のマージンが得られている状況。
HDMI出力経過時間:19分46秒
撮影可能時間:10分00秒
撮影可能時間が5分減るのにかかった時間:6分45秒
26分31秒後 撮影可能時間5分
26分30秒経過した。残り撮影可能時間は5分。今回の条件で4K高画質における1回の連続撮影時間は25分のため一応それよりも連続撮影は可能か?単純計算で約6分のアドバンテージを現時点で得ている。
残り撮影可能時間が10分⇒5分へと推移するのにかかった時間は5分45秒。これはほぼ撮影可能時間と経過時間が同じと言って良いだろう。
ちなみに27分経過したタイミングでバッテリー残量が1個減った。連続撮影時間自体はHDMI出力時もボディ内収録時もあまり変化はないかもしれないが、恐らくバッテリー消費の面では外部収録の方に分があると考えて良いと思う。
HDMI出力経過時間:26分31秒
撮影可能時間:5分00秒
撮影可能時間が5分減るのにかかった時間:6分45秒
34分53秒後 撮影可能時間4分
約35分が経過した。残り撮影可能時間は4分。 今更かもしれないですが、背面液晶は開いた状態で計測しています。仮に閉じた場合は更に短くなる可能性もあることが予想される。
残り撮影可能時間が5分⇒4分への変化にかかった時間は約7分20秒。7分20秒間外部で収録できたが、実際に撮影可能時間減った分数としては1分のみ。この辺りからボディ内収録よりも燃費は良くなりそう。
HDMI出力経過時間:34分53秒
撮影可能時間:4分00秒
撮影可能時間が1分減るのにかかった時間:8分22秒
36分15秒後 撮影可能時間3分
残り撮影可能時間5分から4分への推移に8分かかって、これから燃費が良くなるのか?と思いきや、いきなり1分20秒で撮影可能時間も1分減った。ボディ内収録よりかはマシだろうが外部収録でもあんまり変わらないんじゃないかと思えてきた。
HDMI出力経過時間:36分15秒
撮影可能時間:3分00秒
撮影可能時間が1分減るのにかかった時間:1分20秒
37分36秒後 撮影可能時間2分
37分経過した所で温度上昇警告マークが出現してきた。残り撮影可能時間は2分。
ここで1点疑問が出てきた。この温度上昇警告はCFexpressカードの温度上昇も兼ねている。(と言われている)
ということはCFexpressカードを抜いていればもう少し伸びる可能性があるかも?機会があればやってみたいと思う。
HDMI出力経過時間:37分36秒
撮影可能時間:2分00秒
撮影可能時間が1分減るのにかかった時間:1分21秒
38分57秒後 撮影可能時間1分
もうこの辺から1分経過毎に撮影可能時間も1分減っていく感じ。あんまり変わらない。
HDMI出力経過時間:38分57秒
撮影可能時間:1分00秒
撮影可能時間が1分減るのにかかった時間:1分21秒
40分19秒後 撮影可能時間0分
40分経過した所で撮影可能時間が0分になった。その約40秒後に強制的にシャットダウンしました。その直後CFexpressカードを抜いて触ってみましたが非常に熱くなっていました。
これがなかったらもう少し伸びてた可能性もある。
HDMI出力経過時間:40分19秒
撮影可能時間:0分00秒
撮影可能時間が1分減るのにかかった時間:1分22秒
温度に関してのまとめ
この調査結果はあくまで僕の環境・設定下における場合という条件。その他直射日光だったり、ハンドヘルドだったり、背面液晶モニターを閉じていたりした場合も変わることが予想される。
HDMI出力による外部収録では連続約40分収録できることが分かりました。
YouTubeチャンネル たけひと / T-Labo Channelのたけひとさんの検証では4K高画質のEOS R5ボディ内収録では49分27秒撮影できたとのこと。
結論:HDMI出力したからと言って連続撮影時間は伸びない
EOS R5+Shogun7で音声を外部入力する時の注意点
EOS R5+Shogun7で映像収録をする時の検証結果は非常に残念な結果となりました。
これなら普通にボディ内収録で良くね?となりそうですが、そうはならない原因の一つがこの音声問題。
Canonのミラーレス一眼は2022年1月現在EOS R3だけがマルチアクセサリーシューに対応し、アクセサリーシューから外付けでXLRマイクを接続できるデバイスを取り付けられます。
しかしEOS R5では通常のコールドシューのため、マイク有力は3.5mmジャックで行うしか手段がありません。
現状僕のYouTubeはSennheiserのe935というダイナミックマイクを使用しています。
これはダイナミックマイクのためXLR端子でしか接続ができません。これに対応させるには本体以外でXLRを接続できるようにする必要があります。
Shogun7でXLRマイクを接続する方法
Shogun7は外部からXLRマイクを接続できるのですが若干回りくどい方法が必要です。
筐体にはXLR端子はついていません。本体右側面のBreakout blanced XLR端子という所にBreakout Audioケーブルを接続し、そこからXLR端子を接続する必要があります。
つまり
Shogun7 ⇒ Breakout Audioケーブル ⇒ XLRケーブル ⇒ マイク
というフローになる。
現在僕が使用しているのはAlvin’s Cablesという所のBreakout Audioケーブルだ。
Alvin's Cables Atomos Shogun Monitor Recorder 用の XLR Breakout Audio Input 入力 ケーブル 10 pin to ...
ちなみにこれはステレオ(収録上はトラック1とトラック2)で収録される。なので、2本のXLRマイクを接続できる様になり、それぞれのトラックを分けて収録可能というわけだ。
さらにここにEOS R5の音声も同時に収録される。
Shogun7でBreakout Blanced XLR端子を使うときの注意点①
Shogun7でBreakout Blanced XLR端子を接続してXLRマイクを使うときはマイクによって状況が変わりますが、Shogun7側で少し設定する必要があります。
Shogun7の設定画面から【Analogタブ】を開きます。
Analogタブ下にある【>PhantomPower】をONにする必要があります。この【>PhantomPower】をONすると+48Vの設定にすることができるのでダイナミックマイクでも接続できる様になります。
これは接続するマイクによってONにするかOFFにするかが変わってくるので注意して下さい。
Shogun7でBreakout Blanced XLR端子を使うときの注意点②
XLRマイクを接続したら次にAudio Delayを設定します。
HDMI(or SDI)の入力よりBreakout Blanced XLR端子からの入力の方が若干処理が早いためAudioをDelay(遅延)させる必要があります。僕の個人的な環境の場合は概ね6フレーム遅延させると丁度良かったです。
この作業は最終的な編集の段階でも行えるのでShogun7内部で行う必要は無いが、編集画面でリップシンクを取るのが面倒くさいので、収録時点で行っておくと後々の編集工程を一つ減らすことができる。
今回のまとめ
結局あれこれ試行錯誤してはみたものの結論としてEOS R5を動画機として使用することは個人的には推奨しない。
1080pだったとしても最大連続撮影時間は29分59秒に制限されているし、XLRマイクを入力するにも本体で完結しない。HDMI端子もMicroだ。
外部出力するにしても使い勝手が悪すぎる。
どう考えてもα7S IIIを買った方が幸せになれる。
だがそれでもEOS R5を使う。Canonが好きだから。