一応映像をメインの仕事としている関係上、映像を撮影したりライブ配信をしたりする時にはある程度「音質」にこだわりは持っている。
自分のYouTubeを撮影するときは基本的に業界標準のワイヤレスマイクSONY URX-P03dとUTX-B40の組合せで収録している。
URX-P03dは既に販売終了しており、現行品はURX-P41D・UTX-B40とのセットが通常商品となっている。
そんな高級ワイヤレスピンマイクを使用しているが、今回FIFINE日本広報部さんからご連絡をいただき、同社のダイナミックマイク AmpliTank K688をレビューする運びとなった。
個人的にはダイナミックマイクを使う機会は非常に少ないが、今後音声コンテンツを作成していきたいと考えていたため渡りに船ということで、レビュー依頼を受けたのでレビューしていこうと思う。
FIFINE ダイナミックポットキャストマイク USB/XLR接続可能 カーディオイドパターン単一指向性 USBケーブル...
目次
FIFINEとは?
恥ずかしながらFIFINE日本広報部の担当者の方から連絡をもらうまで“FIFINE”というメーカーを知らなかった。
調べてみると、設立は2009年。そして最初の製品販売は2015年とのこと。
最初の販売製品もコンデンサーマイクでマイク側はXLRで直接USBで接続できるという製品のようだ。
会社設立当初からオーディオ関連製品に注力していてfifinemicrophoneといいうURLからも分かるとおりマイク関連製品を多く販売している。
日本市場には2017年より参加しており、既にアメリカ最大手のウォルマートやAliExpressなどでは多くの製品を販売している。
ダイナミックマイクと言えばShure MV7やSM7Bを想像する人も多いと思う。
知らないメーカーより老舗メーカーの製品を買った方が良い。という考え方もあるがこの記事でFIFINEというメーカーについても知ってもらえらたらと思う。
Amplitank K688の詳細
今回提供された製品はAmplitank K688というダイナミックマイクだ。詳細を見ていきたいと思う。
Amplitankという単語は無い。
恐らくAmplifierやamplification + Tankだと思うが、AmplifierやAmplificationは増幅などという意味にTank = 箱 戦車 などを組み合わせた造語だろう。
同梱物は非常にシンプルで本体とUSBケーブル(A to C)、5/8インチネジを3/8インチネジに変換するアダプタが同梱されている。
Amplitank K688のショックマウントに切られているネジ穴は3/8インチネジだ。
マイクアームやマイクスタンドは多くの場合3/8インチネジなことが多いため変換ネジが最初から付属しているのはありがたい。
USBケーブルはA to Cながら約2.5mの長さがある。恐らくUSB2.0だと思われるが、マイクとPCが多少離れていてもUSB接続がしやすくなっている。
本体重量は実測値で317g。比較対象としてよく挙げられるShure MV7の重量は約546gなのでAmplitank K688は非常に軽く感じられる。
本体背面には各種I/Oが配置されている。Amplitank K688の特徴としてXLR接続と同時にUSB出力も可能だ。
またマイク音量調節つまみはUSB接続時のみ有効でXLR接続時は機能しない。XLRで接続した場合は接続側で調整する必要がある。
本体はショックマウント一体型でゴムのバンドで外側のリングから吊されている。このバンドは外せるので自分の使いやすい場所に回転することは可能だ。
内側のリングと本体はネジで止められているので気軽に外せる仕様ではない。
本体上面にミュートON/OFFのタッチセンサーがある。軽く触れるだけで簡単にミュートのON/OFFを切り替えられる。
緑点灯の時はミュートがOFF赤点灯の時はミュートがONの状態だ。ただし、このミュートボタンもUSB接続時のみ動作可能となっているので注意が必要だ。
比較マイク紹介
早速音質比較をしていきたいと思う。
今回用意したマイクは下記。
- FIFINE Amplitank K688
- Shure MV7
- Zoom H6 Essential
- Sennheiser MKE600
- UTX-b40
ダイナミックマイクはShure MV7のみ。
その他Sennheiser MKE600はショットガンマイク、Zoom H6 Essentialはステレオマイクだが、ダイナミックマイクほどマイクに近づくのであれば音質に問題無いだろうという判断のもと比較対象とした。
ちなみに、Zoom H6 EssentialとSennheiser MKE600の音質比較はH6 Essentialのレビュー時にも比較したのでそちらも参考にして欲しい。
またH6 Essentialについてはステレオ収録のため、今回は編集でモノラルにして試聴してもらう。
Amplitank K688音質比較
音声収録は全てH6 Essentialに同時録音をしたので読み上げの誤差は全く無い状態だ。編集でゲイン調整のみ行っている。
まずは価格やメーカーによる確証バイアスを取り除くためメーカー名は伏せた状態でブラインドテストをしてもらいたい。
原稿はChatGPTに生成してもらい、破裂音や吹かれ音による音質の変化も同時にテストした。読み上げた原稿は下記。
本日、パリ市内で開催されたパン祭りは、サクサクとした食感のバゲットが話題を呼びました。ピーター市長はプレスに対し『パン作りは平和の象徴だ』と述べ、笑顔で試食しました。また、祭りのステージでは、地元のアーティストがシュールなパフォーマンスを披露し、観客を沸かせました。
※イヤホン推奨。音が出ますご注意ください。
【マイク1】
【マイク2】
【マイク3】
【マイク4】
【マイク5】
高級マイクとほぼ遜色ない音質のK688
マイク毎の明確な違いは認識できただろうか?
前提として僕は音質明確に聞き分けられる耳は持っていない。
はっきり言ってポンコツ耳の僕だが、少なくともShure MV7・Sennheiser MKE600・FIFINE Amplitank K688これら3つの音声の違いはほぼ感じられなかった。
H6 EssentialのステレオマイクとワイヤレスピンマイクのURX-P03d UTX-B40の組合せの場合は部屋の反響音を拾っている感じがあり、マイクの特性が異なる感じはあった。(とはいえ音質が悪いとは感じ無かった)
対して、同じダイナミックマイク同士のShure MV7とFIFINE Amplitank K688この両者に明確な違いも感じられなかった。
各サウンドの答え合わせをしていこう。
【マイク1(UTX-B40)】
【マイク2(H6 Essential)】
【マイク3(FIFINE Amplitank K688)】
【マイク4(Sennheiser MKE600)】
【マイク5(Shure MV7)】
Amplitank K688は狂ってる(良い意味)
執筆時点での価格はShure MV7が32,000円(税込)、FIFINE Amplitank K688が10,049円(税込)だ。
価格差は約3倍あるにも関わらずほぼ音質に違いは感じられなかった。(分かる人には分かると思うが)
改めてダイナミックマイク同士だけを聞き比べて欲しい。
【マイク3(FIFINE Amplitank K688)】
【マイク5(Shure MV7)】
わからん。ブラインドテストをしたらマジでわからない。値段が1/3なのに意味が分からない。
スマホにも接続可能
FIFINE Amplitank K688はUSB接続も可能だ。当然PC/Macへの接続にも対応しているが、変化球的な使い方としてスマートフォンに接続するという使い方も一応できる。
FIFINE Amplitank K688のUSB-Cとスマートフォンを直接USB接続する方法だ。
この方法でPixel 9 Pro XLのボイスレコーダーにて録音することができた。
マイク音量のつまみで音量の調節をしっかり行う必要があるものの、スマートフォンでも録音可能だ。
ただし、スマートフォンからの音声出力には対応していないので「音を聞く」という行為が行えない。オーディオインターフェースではなくUSBマイクという製品なので注意が必要だ。
Amplitank K688をスマートフォンに接続できたからと言ってどんな使い方ができるかは今のところ思い浮かばないのだが、ひとまずスマートフォンにも接続可能ということだけ言及しておく。(スマートフォンにより対応していない場合がある)
FIFINE Amplitank K688の悪いところ
コスパと音質に関しては文句の付け所が無いことが分かった。
しかしずっと良いところばかりを言っても仕方がない。使っていて気付いた悪いところをいくつか挙げていきたいと思う。
とはいえ「悪いところ」という表現よりも「気になった部分」という表現の方が適切な気もする。
つまみの操作がしづらい
マイクアームなどで吊す場合、上のつまみが返しの音量調整、下がマイク音量の調整となる。
覚えれば何てことない話だが、マイクの裏につまみがあり見えない状態で触る必要がある。
返しの音量調整をしたつもりがマイクの音量を変えてしまったという事象が頻繁に発生する。
どちらか一方にちょっとした突起を付けるだけで操作性が一気に向上しそうなので、ぜひ後継機にはお願いしたい。
マイク音量調節つまみを使えるのUSB接続時のみなので、USB接続を頻繁に使う方は注意が必要だ。
ミュートボタンはUSB接続時のみ
前述したがミュートON/OFFボタンはUSB接続時のみ動作する。マイク音量調節つまみと同じ仕様だ。
+48Vのファンタム電源でXLR接続した場合も動作はしなかったので、恐らく完全にUSB接続時のみ動作する仕様だと思う。
USBで直接PC/Macと接続できるため、そこまで気にする必要も無いが、オーディオインターフェースを介してPC/Macと接続する場合には注意が必要だ。
オーディオインターフェースではない
photo via YAMAHA
ダイナミックマイク型オーディオインターフェースのYAMAHA AG01をご存じだろうか??
ダイナミックマイクでありながらオーディオインターフェースの機能を備えているという製品だ。
AG01はPCからのUSBオーディオ出力を受け取ることができるので、AG01のヘッドホンアウトで【マイク入力】と【PCからのUSB出力】を同時に聞くことが出来る。
試したわけではないがAG01をスマートフォンに接続してマイクはAG01の音声、スマートフォンからの音声はAG01のヘッドホンアウトから聞く。と言うことができる。
対してFIFINE Amplitank K688はあくまでダイナミックマイクなのでスマートフォンやPC/MacからのUSB出力を受け取ることはできない。
AG01は現時点で約15,000円(税込)の販売でもちろん価格帯が全く異なるため比較するのは酷だとは思う。
しかし、Shure MV7の1/3の値段でこのクオリティを実現できることを考えると、AG01の2/3の値段でオーディオインターフェースも兼ねることは不可能では無いのではないかと感じてしまった。
FIFINE Amplitank K688のできが良すぎるが故の高望みかもしれない。
Amplitank K688はほぼ完璧
重箱の隅をつつくように悪いところの言及をしたが、ほぼ完璧と言っても過言では無い。
ダイナミックマイクにおいて最も重要なのは「音質」だ。その音質に何の問題も感じられなかった。コスパも良い。
何より1万円前後の価格でShure MV7という3万円を超える高級ダイナミックマイクと張り合っていることが異次元だ。
メーカーによるこだわりが無い場合はAmplitank K688で必要十分だ。
価格が安いからと言って、質感が安っぽいということもなく、金属の質感も非常に高く個人的には所有感も満たされる質感とデザインだ。
「Shureのマイクを使っている!」というメーカーへの信仰心が無い僕のようなタイプはコスパを求める。
コスパで考えるとAmplitank K688は非常に優れていると言えるだろう。
「試しにダイナミックマイクを使ってみたい。しかしShureの様な高級ダイナミックマイクを買う予算はない。」という入門機としても必要十分な機能を備えていると言えるだろう。
FIFINE ダイナミックポットキャストマイク USB/XLR接続可能 カーディオイドパターン単一指向性 USBケーブル...
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