【購入レビュー】ProGrade CFexpress Type B GOLD 2TBレビュー

ProGrade Digital(以下ProGrade)が2023年7月7日にCFexpress Type B Goldシリーズに2TBを追加した。
ProgradeのCFexpressはプロの現場からハイアマチュアまで幅広く使われており、性能にも定評がある。

ProgradeのCFexpressは安定性と信頼性に長けるCOBALTシリーズが有名だが今回ラインナップに追加されたのはGoldシリーズだ。

僕はSUNEASTのCFexpress Type B 2TBを所有しているが、あまりにもSUNEASTのCFexpressが動作不安定なので今回信頼性に定評があるProgradeのCFexpress Type Bを購入した。

今まで最大1TBだったが、今回2023年7月7日に新しく2TBがラインナップに追加され、その直後開催されたAmazonプライムデー2023で15%となっていたため購入した。

購入から1ヶ月と経過していないが使用感をレビューしていきたいと思う。
なお僕が所有しているCFexpress Type BはLexarのDiamond Series(ダイヤモンドシリーズ) 128GB同じくLexarのGold Series(ゴールドシリーズ) 512GBそしてSUNEASTの2TBを所有している。

これら3種との比較も同時におこなっていきたいと思う。またこれらの記事も書いているので気になる人はチェックしてみてほしい。

【使用レビュー】Lexar CFexpress DIAMOND Series ダイヤモンドシリーズ

2022年10月3日

SUNEASTとLexarのCFexpressカード Type-Bの比較

2022年8月29日

【購入レビュー】SUNEAST CFexpress Type Bカードレビュー

2022年2月15日

この記事の目次(クリックでジャンプ)

ProGrade 第三世代 CFexpress Type B GOLDシリーズ

prograde-cfexpress-type-b-gold-2tb-review-img01

今回2TBのラインナップが追加されたのは第三世代CFexpress Type B GOLDシリーズだ。

この第三世代CFexpress Type B GOLDシリーズは2023年2月17日に発売された世代で従来の第二世代GOLDシリーズでは128GB~1TBまでのラインナップだった。

また第二世代CFexpress Type B GOLDシリーズでは最大読込速度1,700MB/s、最大書込速度1,500MB/s、最低継続書込速度は最大400MB/s※1だったのが、第三世代CFexpress Type B GOLDシリーズでは最低継続書込速度が最大1,300MB/s※2となった。

※1第二世代では128GBが140MB/s、256GBが300MB/s、512GBと1TBが400MB/s。
※2第三世代では128GBが140MB/s、256GBが300MB/s、512GBが800MB/s、1TBと2TBが1,300MB/s。

第二世代CFexpress Type B GOLDシリーズのスペック

容量 最大読込速度 最大書込速度 最低持続書込速度
128GB 1,700MB/s 1,400MB/s 140MB/s
256GB 1,700MB/s 1,400MB/s 300MB/s
512GB 1,700MB/s 1,500MB/s 400MB/s
1TB 1,700MB/s 1,500MB/s 400MB/s

第三世代CFexpress Type B GOLDシリーズのスペック

容量 最大読込速度 最大書込速度 最低持続書込速度
128GB 1,700MB/s 1,400MB/s 140MB/s
256GB 1,700MB/s 1,400MB/s 300MB/s
512GB 1,700MB/s 1,500MB/s 800MB/s
1TB 1,700MB/s 1,500MB/s 1,300MB/s
2TB 1,700MB/s 1,500MB/s 1,300MB/s

本体外観

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ProGradeのCFexpress Type B カードを今回初めて購入したがパッケージ内容は極めて簡素だ。
同梱物もケースとして使われている緩衝材とソフトウェアのお知らせが書いてある紙。それとパッケージの3点だけだ。

prograde-cfexpress-type-b-gold-2tb-review-img03

現在手元にあるSUNEASTとLexarのCFexpress Type Bカードのパッケージと比べると非常に簡素である。
余計なゴミが増えないので良いことではあるが、Lexar製品ではプラスチック製のケースに入っていてこのケースが出張などの持ち運び時に非常に便利だったため、こういったケースでパッケージングされていると嬉しかった。

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SUNEAST ULTIMATE PRO CFexpress Type Bカード 2TB SE-CFXB2TBS1700

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カード本体に書かれている内容は【容量】【最大読込速度】【最低持続書込速度】の3点だ。
以前までは理論値の最大読込速度及び最大書込速度を書いていたが、2023年3月17日以降の512GB/1TBモデルの第三世代 CFexpress Type B GOLDシリーズから書込速度に関しては【最低持続書込速度】の記載へと変更された。

Sus.Wは”Sustained Write Speed”の略で、最大書込速度と混同してしまうという理由から持続書込速度であることを明確にするためラベルデザインの変更が実施された。

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速度計測:CrystalDiskMark

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まず始めにCrystalDiskMarkで各種速度を計測した。
今回速度計測するのはProGradeのCFexpress Type B GOLDシリーズを含めて全4種。

  • Lexar Diamond Series(ダイヤモンドシリーズ)128GB
  • Lexar Gold Series(ゴールドシリーズ)512GB
  • SUNEAST 2TB
  • ProGrade CFexpress Type B GOLDシリーズ 2TB

なお今回使用するのはLexar PROFESSIONAL CFexpressカードリーダー USB 3.2 Gen 2×2 Readerだ。

ただし、接続インターフェースはUSB 3.2 Gen2だ。USB 3.2 Gen2の最大転送速度は10Gbps(1,250MB/s)となるので予めご理解いただきたい。
なお難しいUSBインターフェースに関してはこちらの記事でまとめているので興味があれば読んでみてほしい。

【使用レビュー】Lexar PROFESSIONAL CFexpressカードリーダー USB 3.2 Gen 2×2 Reader レビュー

2022年10月3日
Lexar CFexpress タイプB USB 3.2 Gen 2x2 リーダー

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Lexar ダイヤモンドシリーズ128GB

Lexar-Diamond-test-1st Lexar-Diamond-test-2nd Lexar-Diamond-test-3rd
読込速度 書込速度
1回目 1,012MB/s 981MB/s
2回目 1,012MB/s 983MB/s
3回目 1,013MB/s 983MB/s

このCrystalDiskMarkでは最高速度はそこまで重要ではなく、複数回行ったテストでどれだけ差が出るかの方が重要だと思っている。
似たような値が出続けた方が安定性が高いと判断でき、ビデオ撮影など連続的記録が必要な時でも安心して撮影できる。

その点Lexar Diamond Series(ダイヤモンドシリーズ)の128GBモデルの安定感は抜群だ。さすがLexarの最上位グレードなだけある。

誤差の範囲が少なくどんな環境でも安定して最高のパフォーマンスを発揮してくれることが期待できるだろう。

Lexar GOLDシリーズ(ゴールドシリーズ)512GB

Lexar-Gold-test-1st Lexar-Gold-test-2nd Lexar-Gold-test-3rd.png
読込速度 書込速度
1回目 1,015MB/s 942MB/s
2回目 1,012MB/s 945MB/s
3回目 1,014MB/s 944MB/s

読込速度はLexarのゴールドシリーズでも安定して1,000MB/sを越えている。書込速度はダイヤモンドシリーズには劣るが比較的安定していると言っても良いだろう。

ただランダムリードとランダムライトの速度に関してはダイヤモンドシリーズに比べると安定感に欠けるのかもしれない。それでも最大30MB/s程度の差だから気にならない人も多いだろう。

SUNEAST 2TB

SUNEAST-test-1st SUNEAST-test-2nd SUNEAST-test-3rd
読込速度 書込速度
1回目 1,008MB/s 991MB/s
2回目 1,015MB/s 992MB/s
3回目 1,012MB/s 992MB/s

シーケンシャルリードやシーケンシャルライトはLexarのCFexpress群にひけを取らない速度が出ている。

しかしランダムリードの速度がLexarが800MB/s台だったのに対してSUNEASTは700MB/sだった点が気になる。

SUNEASTのCFexpressカードは悪い評判をほとんど聞かないのだが、個人的には数多くエラーが発生している唯一のカードで最も信頼性が低いカードと言わざるを得ない。

ProGrade 第三世代GOLDシリーズ 2TB

Prograde-test-1st.jpg Prograde-test-2nd.jpg Prograde-test-3rd.jpg
読込速度 書込速度
1回目 1,013MB/s 996MB/s
2回目 1,017MB/s 1,000MB/s
3回目 1,013MB/s 996MB/s

シーケンシャルリード/ライトはどちらも安定した速度を記録していた。ランダムリードはSUNEASTと同じ700MB/sとなっていたが、比較的安定はしていた。

LexarのCFexpressカード群には若干及ばないが安定性を見るとコストパフォーマンスには優れたカードなのかもしれない。

CrystalDiskMark まとめ

Lexar ダイヤモンドシリーズ
128GB
読込速度 書込速度
1回目 1,012MB/s 981MB/s
2回目 1,012MB/s 983MB/s
3回目 1,013MB/s 983MB/s
Lexar GOLDシリーズ
512GB
1回目 1,015MB/s 942MB/s
2回目 1,012MB/s 945MB/s
3回目 1,014MB/s 944MB/s
SUNEAST 2TB
1回目 1,008MB/s 991MB/s
2回目 1,015MB/s 992MB/s
3回目 1,012MB/s 992MB/s
ProGrade 第三世代GOLDシリーズ
2TB
1回目 1,013MB/s 996MB/s
2回目 1,017MB/s 1,000MB/s
3回目 1,013MB/s 996MB/s

81GBのデータ転送

次に81GBのZipファイルをUSB 3.2 Gen2接続で転送して連続的なデータの書き込みテストを実施した。
転送開始直後のスクリーンショットと転送終了直前のスクリーンショットを撮影した。

転送完了の残り時間と、持続的な転送速度を見てもらいたい。

Lexar ダイヤモンドシリーズ128GB

転送開始直後689MB/sの速度で始まり、終始安定して690MB/s前後の速度で転送をし続けた。転送完了時間も1分55秒とほぼ計算通りだった。
Lexar-Diamond-data-move01

Lexar-Diamond-data-move02

Lexarゴールドシリーズ512GB

Lexar GOLDシリーズ(ゴールドシリーズ)は転送開始直後は660MB/s台と若干速度が遅かったがその後持ち直し690MB/s台後半を維持し続けていた。ただし転送速度はダイヤモンドシリーズには劣る2分1秒だった。

Lexar-Gold-data-move01 Lexar-Gold-data-move02

SUNEAST 2TB

問題のSUNEASTだ。Lexarに比べると明らかにパフォーマンスが悪い。

見てもらえると分かるように転送開始直後こそ700MB/sを出しているが、そこから急速に転送速度が低下しなんと470MB/s台。
そして何より見てもらいたいのが、転送速度にムラがある点だ。

緑のグラフをよく見て欲しい。明らかにギザギザしているのが見て分かる。つまり『速度が安定していない』ということだ。

しかも速度は470MB/s台。EOS R5 Cで8K RAWを撮影するには400MB/s以上の書き込み速度が必要だ。見ての通り基準値ギリギリだ。

これでは何かあったとき急激に速度が低下したらすぐに録画停止してしまう。

ちなみに転送完了時間は3分1秒かかった。

SUNEAST-data-move01 SUNEAST-data-move02

ProGrade 第三世代GOLDシリーズ 2TB

LexarのCFexpressカードと同じく安定して700MB/s台前後で転送し続けてくれた。転送完了時間は1分50秒程だったのでかなり速度は安定していると言える。

Prograde-data-move01 Prograde-data-move02

EOS R5 CのRAW+JPEG連写

各カードを使用してRAW+JPEGを電子先幕での連写、電子シャッターでの連写それぞれテストをした。また電子シャッター連写ではどのカードもバッファフルになったためバッファ開放までの時間も計測した。

シャッタースピードは1/160 F4 ISO200で下記の写真を撮影したので参考にして欲しい。
prograde-cfexpress-type-b-gold-2tb-review-img07

Lexar ダイヤモンドシリーズ128GB

電子先幕による撮影:913枚撮影 残りバッファ47枚
電子シャッターによる撮影:52枚撮影 バッファフル バッファ開放まで5.40秒

Lexarゴールドシリーズ512GB

電子先幕による撮影:471枚撮影 残りバッファ45~47枚(ただし一瞬で47枚に復帰)
電子シャッターによる撮影:50枚撮影 バッファフル バッファ開放まで5.59秒

SUNEAST 2TB

電子先幕による撮影:472枚撮影 残りバッファ28枚
電子シャッターによる撮影:48枚撮影 バッファフル バッファ開放まで5.74秒

ProGrade 第三世代GOLDシリーズ 2TB

電子先幕による撮影:637枚撮影 残りバッファ47枚
電子シャッターによる撮影:48枚 バッファフル バッファ開放まで4.82秒

まとめ

今回新しくラインナップに追加された第三世代CFexpress Type B GOLDシリーズ 2TBはAmazonプライムデー2023で購入した。

執筆時点での価格は116,317円(税込)だ。
ProGradeは頻繁にAmazonでセールをおこなっている。

メモリーカード1枚に約10万はかなり勇気のいる価格帯だが、安いからといってSUNEASTのようなメーカーを選択してしまうと後から痛い目に遭うかもしれない。

どんなにカメラが良くても、どんなにレンズが良くても最終的に記録をされるのはメモリーカード(CFexpressカード)だ。
そこの性能が悪いと最悪記録に残せないという事態も発生しかねない。

安定性という面ではLexarの方が数値上は良いように見える。しかしLexarはもう一回り値段が上がる。
このProGradeあたりの性能と価格帯が一番落とし所としてコストパフォーマンスに優れる商品なのかもしれない。

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