以前まではSDカードがカメラの主流な記録メディアとして使われていた。
近年では8K・6Kなどビデオの高解像度化や4K120fpsなどの高解像度・ハイフレームレート化などのフォーマットが増え、SDカードでは書き込み速度が足りなくなりつつある。
そこで各社で採用され始めているのがCFexpressカード。
Canon・NIKON・Panasonicなどのカメラで採用されているのがCFexpressカード Type B
SONYではCFexpressカード Type Aが採用されている。
僕が使用しているカメラはCanon EOS R5でCFexpressカード Type Bを採用。
現在使用しているCFexpressカードはSUNEASTという会社の2TBモデル。
今回Lexarが新型のCFexpressカード Type Bを販売する。ということで、国内販売代理店の方からコンタクトをいただき、最新のLexar製 CFexpressカード Type B ダイヤモンドシリーズの128GBモデルをご提供していただいた。
現在使用しているSUNEASTのCFexpressカード Type B 2TBモデルとの速度比較やレビューをしていきたいと思う。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
目次
今回の新型CFexpressカード Type Bダイヤモンドシリーズについて
今回Lexarが発売するCFexpressカード Type Bはダイヤモンドシリーズとして世界最速のカードと呼んでいる。
スペック上の性能は、最大読込速度:1,900MB/s 最大書込速度:1,700MB/sとなっている。
既存製品となるCFexpressカード Type B(512GB)の場合は、最大書込速度:1,750MB/s 最大書込速度:1,000MB/sと言われていて新製品となり特に書込速度が著しく上昇していることが分かる。
なお新しいCFexpressカード ダイヤモンドシリーズ128GBモデルはB&Hでは$219.99(PayPal支払いで約23,000円(2022年7月1日現在))で販売されている。256GBは$379.99です。
photo via B&H
Lexar CFexpressカード ダイヤモンドシリーズの性能チェック
現在僕が使用しているCFexpressカード Type BはSUNEASTの2TBのカード。SUNEASTのCFexpressカードの使用感は別記事で掲載しているのでそちらも参考にしてもらえると良い。
今回提供していただいたLexar製のCFexpressカード Type Bダイヤモンドシリーズ128GBモデルの性能をチェックしていく。
Lexar ダイヤモンドシリーズ | |
---|---|
ラインナップ | 128GB~1TB |
最大読込速度 | 1,900MB/s |
最大書込速度 | 1,700MB/s |
今回ご提供いただいたのは128GBモデル。
僕が使用しているEOS R5では主に動画用途が多いため、正直128GBモデルでは少なすぎて…。
128GBモデルでは正直動画を撮る気にもなれず、そもそも動画の場合は『録画できるかできないか』の2択でテスト云々も無い。
今回提供いただいたLexar CFexpressカード Type B ダイヤモンドシリーズ128GBモデルでも問題無く8K RAWの撮影はできた。5分50秒だけ…
速度計測
CrystalDiskMark 7 を使用して速度を計測。
今回使うCFexpressカードリーダーはLexar PROFESSIONAL CFexpress USB 3.2 Gen 2×2 Reader というLexar純正のCFexpressカードリーダー。
これはUSB 3.2 Gen2x2接続に対応したCFexpressカードリーダー。
このCFexpressカードリーダーに関する詳しいレビュー記事も作成しているのでそちらも参考にしてもらえると良い。
なお僕が使用しているPCはALIENWARE AREA-51M R2でThunderbolt 3端子がUSB 3.2 Gen2接続可能なためこの端子を使用。
Lexar製CFexpressカードダイヤモンドシリーズ128GBモデルの速度
次にLexar製新型CFexpressカード ダイヤモンドシリーズ 128GBモデルの速度計測。
1回目
2回目
3回目
USB 3.2 gen2規格の上限の影響でCFexpressカード ダイヤモンドシリーズ自体のポテンシャルをフルで引き出す事はできなかった。
速度比較表
読込速度 | Lexar ダイヤモンドシリーズ |
---|---|
読込速度計測1回目 | 1,000MB/s |
読込速度計測2回目 | 1,000MB/s |
読込速度計測3回目 | 1,001MB/s |
書込速度 | Lexar ダイヤモンドシリーズ |
---|---|
書込速度計測1回目 | 979MB/s |
書込速度計測2回目 | 979MB/s |
書込速度計測3回目 | 979MB/s |
一覧にしてみるとLexar製 CFexpressカード ダイヤモンドシリーズ128GBモデルの方は安定した速度が出ているという印象。読込・書込ともに速度自体も重要だが、安定して高速通信ができるか?という点も重要だということが今回の検証で分かった。
連写による書込速度比較
EOS R5による写真の連写でバッファフルになるまでと何枚連写することができるか?を検証していきます。
- JPEGのみ(電子先幕:約12コマ/秒)
- JPEGのみ(電子シャッター:約20コマ/秒)
- RAWのみ(電子先幕:約12コマ/秒)
- RAWのみ(電子シャッター:約20コマ/秒)
- RAW+JPEG(電子先幕:約12コマ/秒)
- RAW+JPEG(電子シャッター:約20コマ/秒)
以上の6パターンでLexar CFexpressカード ダイヤモンドシリーズ128GBモデルがどれくらい連射可能かを検証。
※シャッタースピードは1/250固定
JPEGのみ(電子先幕:約12コマ/秒)
Lexar ダイヤモンドシリーズ | |
---|---|
可能連射枚数 | 無限連射可能 |
バッファ開放までの時間 | – |
元々想定していたが電子先幕のJPEGのみの記録であればバッファフルになることは無かった。バッファが常時99の状態で、バッファの数値が減ることは無かった。
JPEGのみの12コマ/秒の連射であれば十分な書込速度を保持していると言える。
JPEGのみ(電子シャッター:約20コマ/秒)
Lexarダイヤモンドシリーズ | |
---|---|
可能連射枚数 | 約153枚 |
バッファ開放までの時間 | 約8秒 |
電子シャッターの場合は連射速度が速いためバッファフルになる。どちらのCFexpressカードも約150枚ほど連写することが可能なため約7秒ほど連射が可能ということになる。バッファの開放に速度の違いが出るかと思ったが意外と速度に差は出なかった。
RAWのみ(電子先幕:約12コマ/秒)
Lexar ダイヤモンドシリーズ | |
---|---|
可能連射枚数 | 無限連射可能 |
バッファ開放までの時間 | ー |
LexarのCFexpressカード ダイヤモンドシリーズ128GBモデルは550枚撮影したが連射が止まることも無く連射を終えた時点でもバッファは溜まっていなかった。
今までの経験上RAW撮影時にバッファフルにならないことは無かったがRAWのみ約12コマ/秒の連射であれば止まることが無いため、連射撮影を多用する場合はやはり書込速度が早いとその恩恵を受けられる様子。
RAWのみ(電子シャッター:約20コマ/秒)
Lexar ダイヤモンドシリーズ | |
---|---|
可能連射枚数 | 約82枚 |
バッファ開放までの時間 | 約4秒 |
EOS R5の電子シャッターは約20コマ/秒だが、流石にその速度の連写になるとバッファフルとなった。ただ、約82枚撮影することができたため、4秒間は連写し続けることができるということになる。
バッファの開放までも比較的速いため、4秒以上連写するシーンで無ければ全く問題無いだろう。
RAW+JPEG(電子先幕:約12コマ/秒)
Lexar ダイヤモンドシリーズ | |
---|---|
可能連射枚数 | 無限連射可能 |
バッファ開放までの時間 | ー |
この結果には大いに驚いた。約585枚連射したところで一旦停止したが、バッファの数値は1枚程度しか減っていなくシャッターを停止したすぐ直後に書込が完了したため恐らくバッファルになることは無い。と予想できる。
RAW+JPEGで無限連射が可能になることは予想していなかったので、この結果は良い意味で予想を裏切ってくれた。
RAW+JPEG(電子シャッター:約20コマ/秒)
Lexar ダイヤモンドシリーズ | |
---|---|
可能連射枚数 | 約94枚 |
バッファ開放までの時間 | 約5秒 |
なぜかは分からないがRAWのみの時よりも多くの枚数を撮影することができた。(約12枚)
RAW+JPEGで書込容量自体は増えているはずなのに、RAWのみの撮影時よりも多くの枚数が撮影できた不思議。とはいえ撮影枚数が多い分には問題無いだろう。
総評
写真の連射撮影を多用する方は書込速度が速いカードを利用する恩恵は多いに受けられるため、ストレスなく撮影を行いたい場合はなるべく最大書込速度が速いカードを使用した方良いだろう。
LexarのCFexpressカード ダイヤモンドシリーズ128GBモデルは安定して高いパフォーマンスを発揮している。
書込速度が速いことは当然良いことではあるが、安定したパフォーマンスという点はいついかなる環境でも最大のパフォーマンスを発揮するためには非常に重要なこと。
特にEOS R5は放熱に問題を抱えていて記録メディアの高温化に伴い記録速度も低下する。というような問題もあると思っている。
それでも元々最大書込速度が1,700MB/sから低下するのと、最大書込速度が1,400MB/sから低下するのでは大きく話が変わってくる。
そういった意味でも今回のLexar CFexpressカード ダイヤモンドシリーズ128GBモデルはプロフェッショナルが求めるプロダクトと言えるのではないだろうか。また、今回はちゃんと撮れるか?と撮影毎に不安になることを嫌うユーザーが求めるプロダクトでもあると言える。
今回提供していただいたCFexpressカード ダイヤモンドシリーズは128GBモデル。僕がよく撮影しているディズニーランドで行われるエレクトリカルパレード ドリームライツは2022年6月現在25分ほどのパレードで、撮影したデータ容量は400GBを越える。
Lexarさん、今度は1TBのモデルをお待ちしております。
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