【BOYA Magicレビュー】機能は面白いが注意が必要。実用性としては疑問が残る。

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BOYA Magic及びこの記事は株式会社アーキサイトより提供を受けています。

2025年6月にKickstarterにてクラウドファンディングを開始し、多額の支援を受けて2025年9月に正式発売となった「4-in-One 」ワイヤレスマイクBOYA Magic。

今回もBOYA製品の国内正規代理店である株式会社アーキサイト様よりBOYA Magicをご提供いただけたのでレビューしていく。

冒頭から手厳しいことを言う形になるかもしれないが、率直な意見の一つとして購入前の参考にして欲しい。

特に今回のBOYA Magicはある意味機能が特殊なので、特徴をしっかり理解した上で用途を考える必要がある。

この記事の目次(クリックでジャンプ)

前提

今回は例に漏れず株式会社アーキサイト様より製品の提供を受けている。

製品を提供していただいたにも関わらず本記事では割と率直な指摘が多い。
そんなコンテンツの公開を許可していただいた気骨ある会社 株式会社アーキサイト様に心より感謝している。

こんな内容で良いのか?と不安になったが公開許可が下りた。
その旨内容を見てもらいたいと思う。

動画レビュー

使い方は「4-in-One 」だが機能は1つのみ

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まずBOYA Magicは【AI搭載「4-in-One 」マイク】と表現されるが、これは非常に誤解を生みやすい表現だと感じた。

BOYA Magicは「無指向性のマイクカプセル」をシーンに合わせて使い分けられるというだけ。
個人的には「無指向性のマイクカプセル」を【そのまま使う】【ケースに入れて使う】かの2択でしかない。

更に言うと、製品の筐体デザインから「用途」は4種類あるのは間違いないのかもしれないが「マイクとしての機能」は1種類のみだ。

指向性があるガンマイクとしては使えない

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非常に誤解を生みやすいし、僕自身も完全に勘違いしていた。
マイクカプセルをケースに入れた状態で【ハンドマイク】【オンカメラ】【デスクトップ】として使う時、指向性のあるガンマイクとして使えると思っていた。

これは完全に間違いでガンマイクとしては使えない。
ケースに入ったマイクカプセルが無指向性マイクとして音を拾うだけである。

YouTubeにおいて多くのレビュワー・YouTuberがケースに入れた状態のことを「ガンマイク」「ショットガン」などと表現しているが指向性は一切無いのでガンマイクとしては使えないことに注意して欲しい。

ケース自体にマイクは搭載されていないので、音を拾うのは常に無指向性のマイクカプセルからという形になる。

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つまり

  • 無指向性のマイクカプセルをピンマイクとして使う
  • 無指向性のマイクカプセルをケースに入れて使う

この二通りでしかなく、それなら「ケースに入れる必要あるか?」とすら思えてくる。

無指向性マイクだから離れれば音質劣化は確実

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胸元に付けるピンマイク形式であれば、口元とマイクが近いので問題無く収録出来るだろう。
【ハンドマイク】としての用途も口元に近づけられるシチュエーションなので芯のある音は録れる。

しかしオフィシャルHPにあるような【デスクトップ】【オンカメラ】ではマイクと口元が遠すぎて十分な音は収録できないのでは?

ガンマイクとして使えないなら常時ピンマイクとして使えばよくないか?

BOYA Magicの詳細

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とりあえず最初の注意点とファーストインプレッションを伝えたのでBOYA Magicの詳細を見ていく。

BOYA Magic
伝送方式 2.4GHzデジタル周波数帯
最大通信距離 約100m
マイク指向性 無指向性
ビットレート 24bit
最大音圧レベル 115dB SPL
バッテリー容量 90mAh
連続使用時間 約6時間
充電時間 約2時間
マイク重量 7g
オンボード録音 非対応
音声出力 3.5mm TRS/USB-C*1

*1:セット内容によってはLightningアダプターも同梱。本表は株式会社アーキサイト楽天市場店に準拠

BOYA Magicの外観

まずは同梱物の確認。ケースに装着するウィンドジャマーはタイプ違いで2つ。ピンマイク用のウィンドジャマーも付属している。
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BOYA Magicケースの外観

ケースに2つのピンマイクを収納した状態。この状態でピンマイクの充電もおこなわれる。
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マイクケースの底面にはUSB-C用レシーバーを連結して収納しておくことができる。
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ケース単体の重量は約62.5g。マイクを収納した場合の合計重量は約80.2g。

ケースのトップと上面にある音を拾う用の穴と先端に切ってある切れ込み。勘違いしやすいが先端部分は貫通していない。
先端から音を拾う設計にはなっていない。
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つまりこの先端を音源に向けても音を拾ってくれるわけではない。ガンマイクのような形状だが、その特性は無いので注意。

背面下部には充電用のUSB-CとバッテリーインジケーターのLEDがある。
底面にはUSB-C用レシーバーを磁石で付けておくことが出来る。
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このUSB-C用レシーバーはそこまで簡単に取れるわけではないが、少し何かが当たってしまったら取れる程度の磁力ではあるので取り扱いには注意。

ケース背面の全体。ケース中央には三脚用の1/4インチネジ穴が切られている。
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BOYA Magicケースの受信機

受信機はUSB-C用とTRS用の2つがある。USB-C用レシーバーは特に設定もないしボタンもなく繋げれば動作する簡単設計。

ここではTRS用の受信機について詳細を見ていく。
正面のLEDはペアリングが完了していればブルーに点灯する。
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受信機左側面には充電用のUSB-CとTRS出力端子がある。
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左側面には電源ボタンとボリュームボタン。ボリュームボタンは6dBずつ増加の3段階で調整可能。
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ミラーレスカメラEOS R5 Cに取り付けた場合。
受信機自体の高さが低いので非常にスマートで重心が高くなる心配もない。
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ただしBOYAMIC2のレビュー時にも伝えたが、受信機のクリップサイズが微妙に小さい様な印象だ。

【BOYAMIC2 レビュー】安いのに32Bitフロート録音可能!2.4Ghz帯マイクの決定版

2025年10月22日

カメラ本体のホットシューに取り付ける分には問題無かったが、Smallrigのリグににあるコールドシューの場合はスカスカで緩かった。

BOYA Magicマイクの詳細

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今度はマイクカプセルの詳細を見ていく。
BOYA Magicのマイクはとにかく小さい。硬貨と並べてもほとんど大きさは変わらない。

マイク本体は約7.2gで取付用の磁石を合わせても約9.1gと非常に軽量。


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マイクに取り付ける風防はマイクカプセルに被せる形でどこかに刺さったり、ツメで止まったりはしない。とはいえBOYAMIC2ほど取れやすいということはない。
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BOYA Magic音質比較

ケースに入れたときと入れてない時それぞれ音質比較をすること。

オンカメラマイクとして使う意味は?

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BOYA Magicの用途の一つとして「オンカメラ」がある。この用途、意味あるか?

わざわざケースをカメラの上に乗せて無指向性マイクで音を録る意味が分からない。

BOYAオフィシャルHPで使用しているシーンはカメラを自分に向けている。
いや、それならピンマイクで話せば良いだろ。

3.5mm TRSでカメラと接続する必要がある

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「オンカメラ」としての用途が意味無いと言えるもう一つの理由が、受信機とカメラを3.5mm TRSで接続する必要があることだ。

BOYA Magicのケースから直接3.5mm TRSでカメラに接続できれば良かったがそれは出来ない。

つまりBOYA Magicのケースと受信機(レシーバー)をカメラの上または近くに配置する必要がある。

別途オプション販売されているBOYA Magic Accessoriesのミニ三脚を購入すれば、ボール雲台の横に受信機を付けるためのコールドシューが切られているのでスマートに装着可能だ。

ただしこのためだけに追加で5,000円弱支払うのも微妙だ。
ケースに3.5mm TRS端子を作って、受信機ではなくケースをそのままカメラに接続できる方が良かった。

ただしそのような仕様で今度はワイヤレスマイクとして使いたい場合は受信機をカメラに接続する必要が出てくる。

だから、オンカメラマイクとして使う場合はケースから3.5mm TRSでカメラと接続できて、その状態でピンマイクに用途を変えるとそのままケースが受信機となる。

そんなケースの仕様だったらもっとスマートだっただろう。

ケースが改善すれば化ける可能性はある

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まずそもそもケースに入れたとしてもショットガンマイクとして使えない時点で、ケースに入れて使う必然性が大きく低下する。

SNSでよく見かける「ピンマイクを手に持ってインタビューする」という光景をハンドマイクにしませんか?という問題提起をしているのだと思う。

そうなるとハンドマイクとしての用途は問題無い。しかしオンカメラでは全く話が違う。

指向性が無いものをオンカメラマイクとしては使えない。
そしてオンカメラとして使うのに受信機を別途用意しなければいけないのも面倒くさすぎる。

つまりケースが

  1. 指向性のあるショットガンマイク
  2. 3.5mm TRSで直接カメラに接続可能
  3. 上記使用時はワイヤレスマイクの受信機としても機能

この3つの機能を兼ね備えたら大きく化ける可能性があると思う。

現状、無指向性のマイクカプセルをケースに入れるか入れないかの違いでしかない。

ケースに入れる必然性が足りなさすぎる。

ハンドリングノイズは普通に乗る

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ハンドマイクとしての用途を謳ってはいるが、手に持った状態で動いたり持ち替えたりすると普通にノイズは乗る。

一度手に持ったら持ち替えるなどケースに振動が加わるような動かし方をしてはいけない。

メーカーが公式にハンドマイクとしての用途を謳っているのであれば、ハンドリングノイズを軽減する処置を施しておくべきだった。

ワイヤレスマイクとしての音質は十分

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色々文句は言っているがマイク自体の音質に不満は何も無い。
もう既にBOYAのワイヤレスマイクは数機種試してきているので、音質に関しての信頼性は厚い。

スマホ用としてもカメラ用としても使えるインターフェースに柔軟性があるのも評価出来る。

これ一つ購入しておけば最初はスマホ用をメインとして、しばらく使ってから本格的にマイクを購入したとしても新しく機材を用意する必要が無い。

改善点は多い“第一世代”という印象。

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非常に挑戦的で新しいマイクの形(機能)を提案してきて、コンセプトは面白いと思う。

しかしそのコンセプトを生かすにはあまりにも機能面で不便を強いる所が多い。

良くも悪くも第一世代だなという印象。

今ここで僕が話している文句がメーカーに届くかは分からないが、これらが改善されたBOYA Magic2などが出て来たら、新しいマイクとしての形が出来上がるかもしれない。

今流行りの32ビットフロートの非対応。オンボード録音の非対応。
などなど機能に関して割り切っている部分が多いが、実売価格は2万円を切っている。

この価格でこれまで挙げた機能を詰め込むことはさすがに不可能だろう。

価格が上がるのは仕方ないとしてこれらの改善が図られると非常に面白いプロダクトとなるような期待感はある。

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