カメラの世界に足を突っ込むと、レンズ沼という沼にまずハマることになります。
そして、そのレンズ沼で一通り溺れた後、次にハマるのが三脚沼(別名:三脚の森)です。
カメラボディのことを勉強して
などと分かってくると、次はレンズの沼にハマります。
フルフレームのボディ買った。F値の低い高級単焦点レンズ買った。
システムが重くなったから次は三脚が必要なんだな。そんな風に考えます。
すると、家電量販店やAmazonで価格もお手頃な三脚メーカーがSlikやVelbonと言ったメーカー。
最近はNEEWERやSIRUI、K&F Conceptなどの中国三脚メーカーも評価が高いんだな。なんてことにも気付きます。
もう少し調べてみると『あ、Manfrotto(マンフロット)というメーカーも有名なんだな。』と気付きます。
そんな風に色々調べていくと、どこからともなく聞こえてくるのがGITZO(ジッツォ)というメーカーです。
しかし、このGITZO(ジッツォ)を詳しく見てみると、値段が圧倒的に高い。
まさに桁が違うとはこのこと。
僕はビデオ撮影することがありますので、ビデオ三脚で有名なメーカーはLibecやAshanksというメーカーもあります。
そしてビデオ三脚で最も有名なのがSachtlerザハトラー)です。
ビデオを撮るのに今回購入したのGITZO ジッツオ トラベラー三脚GT2545T+雲台GH1382TQDキットです。
メーカー直販だと157,080円(税込)ですが、僕が買ったのはManfrotto Outlet Store楽天市場店で124,259円 (税込)でした。
なぜ、ビデオ三脚ではなくGITZOのトラベラー三脚を買ったのか?
その辺りもレビューと絡めてお話していければと思います。
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目次
GT2545T外観
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なぜGITZOなのか?
通常GITZOというと、プロの写真家が好んで使っているという印象があります。
プロの現場だと、GITZOというよりもSachtler(ザハトラー)のビデオ三脚を使う事が多いです。
Sachtler(ザハトラー)のビデオ三脚でFlowtechと呼ばれる三脚のシステムを持つ製品は、特にワンオペ撮影に特化したシステムが構築されており、僕も一度だけ使った事がありますが非常に便利でした。
ましてや今の世の中、GITZO(ジッツオ)のトラベラー三脚 GT2545Tが存在するトラベラー三脚というカテゴリーでは様々なメーカーが製品を世に送り出しています。
機内持ち込みの制限
僕はこのGITZO ジッツオ トラベラー三脚GT2545T+雲台GH1382TQDキットを買ったきっかけの一つとして沖縄ロケがあります。
この撮影ではANAの飛行機を使ったのですが、例えばANAの場合【機内持ち込みに注意が必要な手荷物について(国内線)】という項目があり
折りたたんだ状態で長さ60cmを超える大型三脚はお持ち込みいただけません。
僕が現在持っている三脚で言うと
Neewer カーボンファイバー製三脚 : 縮長50cm
SLIK カーボン三脚 ライトカーボン E84H : 縮長64 cm
となっております。
NEEWER 184cmカメラ三脚一脚 センターコラム、ボールヘッド ArcaタイプQR プレート、バッグ、水平三脚オー...
SLIK カーボン三脚 ライトカーボン E84H 4段ロングタイプ 全高2,150mm ナットロック式 28mmパイプ径 3ウェ...
Neewer カーボンファイバー製三脚は機内持ち込みが可能ですが、次の項目にある内容で候補から落選しました…。
その点このGITZO ジッツオ トラベラー三脚GT2545T+雲台GH1382TQDキットは縮長:42.5cmと非常にコンパクト
機内持ち込みも問題ありません。
手持ちというよりも、機内持ち込み用のキャリーバッグにすら入れることが可能です。
安定性
三脚はカメラを固定しなければなりません。
そのために重要になってくるのが、三脚のスペック表に書いてある【耐荷重】及び【パイプ径】。
【耐荷重】はその名の通り、三脚が耐えられる荷重になります。
しかし、ここで勘違いしないようにしなければいけないのが、
その重量ギリギリまで耐えられるという訳では無い。ということ。
最近の三脚は足の開脚角度が2段階や3段階になっている製品も少なくありません。
実際にNeewer カーボンファイバー製三脚もSLIK カーボン三脚 ライトカーボン E84Hの場合、通常の立ち位置と、そこから1段階、2段階と開いた状態で足を固定することが出来ます。
足を最大に開いた時や足を全て伸ばした時でも、この耐荷重の数値に耐えることが出来るというわけでは無い。ということに注意が必要です。
じゃあ何を基準に耐荷重を決めてる?
実はこの耐荷重、明確に基準が設けられている訳ではありません。
全国三脚委員会みたいなのが、『この基準でテストをして耐荷重を設定しましょう』とかやってくれたら消費者としては分かりやすいのですが、今のところそんな事は無く、この耐荷重の数値は信頼性に欠けると言わざるを得ない状態です。
そこで、三脚に乗せられる重量の基準として見た方が良いのがパイプ径です。
このパイプ径は三脚の足の太さに該当します。
もちろん太ければ太いほど安定します。上からの重みに対して耐えることが出来ます。
Neewer カーボンファイバー製三脚はパイプ径が25mm
SLIK カーボン三脚 ライトカーボン E84Hはパイプ径が28mm
GITZO ジッツオ トラベラー三脚GT2545T+雲台GH1382TQDキットのパイプ径は29 mm
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Neewer カーボンファイバー製三脚から比べると4mm直径が太くなっています。
たった4ミリと思うかもしれませんが、実際に触ってみるとこの4mmの差は非常に大きく、重いモノを置いた時の安心感、安定感が全く違います。
軽さ
安定性、大きさが持ち運びの際、特に飛行機ではとても重要になります。
そこに更にもう一つ重要なのが重量になります。
安定性が高く、頑丈で思いモノも支えられ無ければならないけど、重くなってしまっては意味が無い。
そんな所でもこのGITZOは問題をクリアしてくれています。
Neewer カーボンファイバー製三脚の重量は2kg(ボールヘッド込み)
SLIK カーボン三脚 ライトカーボン E84Hの重量は1.62kg(雲台無し)
GITZO ジッツオ トラベラー三脚GT2545T+雲台GH1382TQDキットの重量は1.45kg
僕がGITZOを選んだ理由がおわかりいただけたでしょうか?
GITZOは長さが短く、パイプ径が太く安定性があり、尚且つ軽量であるという持ち運びの際にこの上なくメリットを発揮します。
スペック表
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NEEWER | SLIK | GITZO | |
---|---|---|---|
実売価格(Amazon) | ¥12,999 | ¥42,420 | ¥110,681 |
本体重量 | 約2kg | 約1.62kg | 約1.45kg |
耐荷重 | 12kg | 5kg | 10kg |
パイプ径 | 25mm | 27mm | 29mm |
全高 | 191cm | 205cm | 163.5cm |
縮長 | 50cm | 62cm | 42.5cm |
一部他社製品がGITZOよりも優れている部分があると思います。
しかし、先ほど述べたように【耐荷重】は明確な基準が無いため比較対象にならない。
全高が一番高いのはSLIK E84Hですが、機内持ち込みが出来ません。
続いてNEEWERのカーボン三脚ですが、総合的な点数によりGITZOに軍配が上がります。
というのも、今回の沖縄外ロケでは150cm以上のハイアングルから撮る必要が無いので
GITZOの160cmの全高でも問題無いのです。
総合評価
高かったですが、全体的に買って良かったです。
今までセミナー撮影の時はSLIK E84HにManfrottoのビデオ雲台 MVH502AHを付けて撮影していました。
ですが、今はほとんどGITZO GT2545Tを持っていく様になってしまいました。
セミナー会場にもよりますが、かなり広い会場で無い限りはGITZO GT2545Tで高さは事足りてしまう様になりました。
しかも、パイプ径が非常に太いので、Manfrotto MVH502AHを付けても全然不安感がありません。
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短く軽量化することができる様になりましたので、全体的に持ち運びのシステムがコンパクトになり非常に嬉しく思っております。
気になる所・短所
最後に少しだけ気になる所を上げていきたいと思います。
これらのデメリットをご理解頂いた上で購入の際、参考にしていただければと思います。
高ぇ
三脚に10万円以上をかけるのはかなり勇気が必要です。
今回僕の場合はかなり気合いを入れて沖縄撮影に臨みましたので、
このきっかけが無ければ買うことは無かったか、買ってももっと後になっていた可能性が高いです。
コスパは非常に悪い様な気がします。
ですが、このGITZO GT2545Tを買ってから、何気ない日でも三脚を持ち歩こう!と思える様になりました。
僕のInstagramでは、夜景の写真を多くアップしています。
これはこのGITZO GT2545Tを買ってからです。
夜景を撮るには長秒露光が必須になります。
ですが今までは三脚を持って歩くのが面倒だったので、あまり撮ることはありませんでした。
ですがGITZO GT2545Tを手にしてから積極的に夜景を撮りに行くようになりました。
(まぁ、せっかく買ったから使わないと。という意識が働いているのかもしれませんが…。)
買って速攻足のネジが弛んだ
これは個体差があるのかもしれないですが、買って1週間くらいで足のネジが弛んで
閉じている時に勝手に開くようになってしまいました。
ネジを締めればすぐ直ることなので、大した問題ではないのですが
え?もう??
という感じでした。
GITZOの三脚を締め付けるネジはトルクスネジと呼ばれる日本ではマイナーなネジ形式なので注意が必要です。
梱包の箱の中に専用のレンチが入っていると思いますので、それでしっかり締めるようにしましょう。
それを締めたのが11月ですが、執筆時点の1月まで緩みは発生しておりません。
雲台は使いづらい。買う人は足のみで大丈夫
せっかく買うのだから、上から下まで全部純正で揃えようと思って
雲台セットのGITZO ジッツオ トラベラー三脚GT2545T+雲台GH1382TQDキットを買いました。
ちなみに三脚だけなら¥88,942です。
雲台がセットになると¥110,681です。
雲台が着くだけで2万円アップです。
2万円の雲台なんて一体どんな素晴らしいモノなんだろう?
とワクワクしていましたが期待外れ。
NEEWERのカーボン三脚について来たボール雲台の方が使いやすかったです。
GITZOの雲台は固定力に特化しているのか、少しだけカメラを動かしたい。という時に非常に調整が難しいです。
写真を撮る時に水平を出す事は多々あるのですが、水平を出す為にほんの少しだけ右に傾けたい。
などという時に、締め付けすぎてると全然動かないし、緩めるとカクンッと一気に動いてしまう。
雲台は別にGITZOである必要は無いです。
まとめ
高いカメラ、高いレンズを乗せる土台となるのが三脚です。
しっかりと高いカメラ・レンズを支えてもらう為の安心感を買ったと考えれば良いと今は非常に満足しております。
やはり高いモノを乗せるのに、下が不安だと安心できませんので。
普通のビデオカメラや標準ズームレンズなどを乗せるには少々勿体ないので
正直必要無いと思います。
僕の場合EOS RにRF28-70F2 L USMをを付けたシステムを乗せるので
重量としては2kg近くになります。
これを支えてもらう三脚にはいつも不安を感じていたので
その不安を取り除くために買って良かったと思っています。
では最後に、この三脚を使い沖縄ロケで撮影してきたドキュメンタリーご覧ください。