2022年8月25日から2022年9月30日まで期間限定・数量限定で割引を行っているタイミングでSenheiser MKE200を購入した。
Senheiser(ゼンハイザー)と言えば映画撮影の環境でも使用されるマイクMKH416を販売するメーカーとして界隈では有名だ。
なおYouTube業界でも瀬戸弘司さんがMKE600をレビューしたあとから急速にシェアを広げた。
ちなみに僕も瀬戸弘司さんのレビューを見てMKE600を購入した人間だ。
Senheiser(ゼンハイザー)のマイクと言えば、『高性能だがそこそこ高い価格』というのが一般的な印象だと思う。
実際に僕もMKE600は4万円程度で購入した記憶がある。
性能には定評があるが価格が高い。そんな印象のSenheiser(ゼンハイザー)がVlogに最適なカメラマイクとして2021年3月に販売したのがこのMKE200だ。
発売から既に1年半以上経っている製品でかなり遅いタイミングではあるが、2022年8月25日から2022年9月30日まで期間限定・数量限定で割引セールを行ったタイミングで購入したため、今更ながらSenheiser MKE200をレビューしていこうと思う。
実売価格は12,000円~13,000円ほどで、今回のセールでは約30%OFFの9,000円まで値下がりした。
なおAmazonで購入すると配送が9月中旬になるため、今回はSound Houseで購入した。
ゼンハイザー(Sennheiser) 【DGPモバイルアワード2022総合金賞<動画/配信アイテム>】 ゼンハイザー MKE 200...
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目次
Senheiser MKE200の詳細
MKE200のパッケージ
フタを開けたファーストビュー
同梱物一覧
標準でカメラなどの撮影・収録機材に接続する通常の3.5mmオーディオケーブル(TRS-TRSコイル状ケーブル)とスマートフォンに接続するための3.5mmオーディオケーブル(TRS-TRRSコイル状ケーブル)が付属している。
3ピンのケーブルがカメラなどの収録機材用。4ピンがスマートフォン用だ。
ジャックの線の本数だけで見分けるのは難しい人にも優しく、『SMARTPHONE』のテープが貼られているので分かりやすい。
MKE200外観
左側面
右側面
前面
前面にロック機構付き3.5mmジャックを搭載している。
後面
Senheiser(ゼンハイザー)と型番MKE200の文字。相手に見えない自分だけが見える様にさりげなく入れるあたりが粋な演出だ。
底面
1/4インチネジ穴が切ってあり、コールドシューを搭載しない機器にも取り付けられる配慮がある。またミニ三脚などにも直接取り付けられる様な設計になっており、色々な使い方ができる。
外寸
この手のマイクとしては非常に小型でミラーレス一眼の上に乗せた状態でもそこまで圧迫感を与えない印象だ。また、これならジンバルに載せてても邪魔にはならない様な気がする。
なお数値は実測値のため、メーカー表記仕様とは異なる可能性がある。
重量は47.3g.非常に軽量コンパクトであることが分かる。
3.5mmケーブルを付属させても重量は60.3g.
ケーブル接続部が抜け防止のためネジ機構となっているのはプロの現場で製作しているSenheiser(ゼンハイザー)ならではの配慮。
誤ってマイクケーブルが抜けると音声が全く録れないためそのミスを減らせるありがたい仕様だ。
しかしマイク前面にケーブル取り付け部分がある都合上、ケーブルを逃がす角度を考えないといけない。真下に逃がすとカメラと干渉するため左右どちらかに逃がす必要がある。
写真のようにケーブルの長さが中途半端な場合はコールドシューの所をくるっと回すだけでどこかに引っかかるリスクも無くせて良い。
RØDE VideoMicroとの比較
価格帯・サイズとして比較対象に挙がるのがRØDE VideoMicroだ。
ただ、RØDE VideoMicroは価格の変動が時期によって激しく、だいたい¥6,000~¥8,000の間で推移している。
今回のMKE200はセールでは約9,000円と安くなっているが、通常価格は¥12,000付近。比較対象としてはもう少し高価なVideoMic GO IIの方が適正なのかもしれない。僕はVideoMic GO IIは持っていないのでRØDE VideoMicroとの比較をさせてもらう。
また後述するが、音質比較の時は同じSenheiser(ゼンハイザー)のMKE600との比較も行う。価格によるグレードでどれくらい変わるかを確認してもらいたい。
横からの比較。高さはほとんど変わらない。
RØDE VideoMicroはウインドスクリーンが大きいことで有名だ。何もつけない状態でもある程度風切音を防げるMKE200と比べると大きさは一気に変わってくる。
ちなみにMKE200に付属のウインドスクリーンを装着したとしても大きさ自体はほとんど変わらないため、サイズ面での軍配はMKE200に上がる。
MKE200の60.3gに対してRØDE VideoMicroの重量は61.5g.実はマイク本体は小さい割に意外と重量がある。
ウインドスクリーンをつけないとMKE200とほぼ同じ重量だが、RØDE VideoMicroはウインドスクリーンが必須だ。ウインドスクリーンをつけると重量は更に重くなる。
音質比較
前置きが長くなってしまったがMKE200の音質を比較していこうと思う。
今回検証に使ったカメラはCanon EOS R5。このEOS R5はモノラル入力で音声の入力はオート。
EOS R5のオートの制御の癖が分からなく申し訳ないがEOS R5はオート制御が一番良い音で録れるためご了承いただきたい。
また検証を行うマイクは【Senheiser MKE600】【Senheiser MKE200】【RØDE VideoMicro】の3機種。及びカメラ本体の内蔵マイクでも一応音声を録った。
なお全ての音源で音量の調節やオーディオエフェクトなどは何もしていない完全な撮って出しの状態だ。
再生するときは音量に注意して欲しい。
【EOS R5ボディ内蔵マイク】
【Senheiser MKE600】
【Senheiser MKE200】
【RØDE VideoMicro】
個人的な音質の感想
僕は音響の専門家ではないため『高音の抜けが~』とか『低音厚みが』とかははっきり言って分からない。
各々それぞれ聞き比べてもらい、自分が最も好きな音質を見つけてもらうのが良いだろう。
ただ、唯一言えることは『EOS R5内蔵マイクはダメ』。
当然と言えば当然だが環境音を多く拾っているし、風切り音も防げていない。
このEOS R5内蔵マイクだけは明らかに僕の声が不明瞭である。
対してSenheiser MKE600・Senheiser MKE200・RØDE VideoMicroはどれも環境音を抑え、僕の声をある程度明瞭に拾っている印象を持った。
中でもSenheiser MEK600は一番高値でショットガンマイクということだけあって特に明瞭な印象だった。
音声の明瞭度で言うとSenheiser MKE600がダントツ抜き出ており、Senheiser MKE200とRØDE VideoMicroではそこまで大きな差は感じなかった
よくよく聞いてみるとRØDE VideoMicroの方が高音の背景音(環境音)、『サーッ』という音が残っており、MKE200に比べると僕の声が若干聞き取りづらい様な気はした。が、好みの問題かもしれない。
またMKE200は思ったより風切り音を低減してくれていない。
収録を行った日は確かに若干風は強かったがそれでも強風という様な印象では無かった。1m~2m/s程度の風だとは思う。
Senheiser MKE200の気になったところ
音質に関しては実際に聞いてもらい自分が好きな音を探してもらいたい。選択の基準とすべきポイントは『いかに環境音を抑え声をしっかりと拾ってくれるか』ということと『価格』だ。
『これくらいでもこの価格なら許せるか。』
という妥協で買うも良し。
『良い音で録りたいから妥協しない。』
と高価なマイクを買うも良し。
音質以外で気になったところを伝えていきたいと思う。
意外と風に弱い
Senheiser MKE200を紹介しているSenheiserのYouTubeには、MKE200の周りのアミアミの内部を透過して見せている図がある。
実際にマイクユニットは周りの筒の中のごく一部に過ぎない。それ以外はウインドスクリーンとしての機能を持っている。
が、思ったより風切り音は低減出来ていない。個人的にはしっかりと撮影する場合は付属のウインドスクリーンを装着することを推奨する。
基本的に収録は近くで
比較対象としては適切では無いが同じSenheiser(ゼンハイザー)のマイクであるMKE600に比べて、MKE200は背景(環境)音も意外と拾ってしまっていた。
指向性オーディオ – MKE 200は、不要な背景ノイズを除去しながら、細部にまでこだわった音質を実現するためのスーパーカーディオイドカプセルを搭載しています。この指向性マイクは、動画撮影やブログ制作などにも最適で、インカメラの音質を強化し、高品質の音声収録を実現します。
という記載がある通り【指向性】を持ったマイクではあるが、その指向性はSenheiser MKE600に比べると大きく差を開けられている。
クリアな音声で録る場合には全体的にゲインを下げる必要が出てくるため、必然的にマイクと被写体との距離を縮める必要がある。
室内であればある程度妥協できると思うが屋外での撮影の場合はなるべくカメラ(マイク)に近づいた方が良さそうだ。
とはいえ、カメラの内蔵マイクよりかはしっかり取れている。
RØDE VideoMicroと大きくは変わらない
これはコスパという面に関わってくることだ。
2022年9月現在RØDE VideoMicroは7,900円。
Senheiser MKE200はセール価格で9,000円。通常価格では14,300円程度となる。
ほぼ2倍の価格差がある割に劇的な音質の違いは感じられなかった。
コスパで言うとRØDE VideoMicroの方が高いと言わざるを得ない。
音質ではなくウインドスクリーンをつけたときの【コンパクトさ】に価値を感じそこにお金を払う。というのであれば悪くないのかもしれない。
アミアミ部分にゴミが溜まる
これは設計上仕方の無いことかもしれないが、ハニカム形状のようになっている外装はゴミ汚れの温床だ。
事実買って直後にこの写真を撮影したのだが、謎のゴミが入り込んでいる…。
厄介なことにブロワーで吹いても飛んでいかないタイプのゴミだったため、3mmのシャーペンの先を突っ込み取り除いた。
今後使い込んでいくとこのようなゴミは次々と溜まっていくことを考えると鬱になる。
しかしこのゴミを撮影したのがRF100mm F2.8 L MACRO IS USMなのだが、めちゃめちゃ近寄れて驚いた。
非常に大きく映っているが、肉眼で見たとしてもぱっと見は分からないレベルのゴミだ。しかしRF100mm F2.8 L MACRO IS USMで撮影するとこうもハッキリ見えてしまう。
良いのか悪いのか。
Senheiser MKE200の良いところ
軽量・コンパクトである
RØDE VideoMicroもマイクユニット自体はコンパクトであるが、ウインドスクリーンを装着してしまうと大きさが目立つ。
またショックマウントも機能性を確保するため高さが出てしまっている。
対してMKE200ショックマウントも内蔵されているため基本的に高さは変わらない。
風が強い日にウインドスクリーンをつけても大きさが劇的に変わるわけではない。
軽量・コンパクトであることは機動力を上げるし、撮影のハードルを下げてくれるため非常に良いことだ。
高さも出てこないということでジンバル運用時にものせやすいマイクであることは間違い無い。
スマートフォン用のケーブルも付属
このMKE200のコンセプトが『Vlog用に最適』というビデオブロガーに向けた製品ということもあり、スマートフォンで撮影するユーザーも視野に入れている。
特に最近のスマートフォンは動画の画質も上がっており、パッと見では分からないレベルに達している。
ライトユーザーにもマイクを買って欲しいというSenheiser(ゼンハイザー)のコンセプトが見てとれる。
最近のスマートフォンは3.5mmジャックを廃止している端末も多いため実際に接続するには別途変換ケーブルを用意する必要はあるものの、デフォルトでスマートフォン用のケーブルが付属しているのは好感度が高い。
僕はAnkerのUSB-C to 3.5mmジャックを購入したため、実際にスマートフォンに接続して撮影するテストもおこなってみたいと思う。
しかもスマートフォン用のケーブルに『SMARTPHONE』と親切に書いてあるあたりが、スマートフォンで撮影するのを前提としている。素晴らしい仕事だ。
以前レビューしたSYNCO G2A2でもスマートフォン用のケーブルが付属していたが、最近ではそういうのがユーザーから求められているのかもしれない。
総評
音質を考えたコスパとしてはあまり良くないかもしれない。
しかしそれを補ってあまりある【軽量・コンパクトさ】という部分は感じられる。
だが、コスパだけを考えるのであれば安価なRØDE VideoMicroでも十分だろう。ちなみにRØDE VideoMicroもスマートフォンには接続が可能だ。(別途ケーブルは用意する必要があるが)
逆に音質にこだわるのであればこのMKE200という選択肢は入らず、MKE600やRØDE NTG4というショットガンマイクが選択肢に入ってくる。
そういう意味ではなんとも中途半端な製品。と言わざるを得ないのかもしれない。
アイキャッチ画像で『神マイクか?』と煽っていたが、実際はそうでも無かった。
とある人がこのMKE200のことを『神マイク』と動画内で言っていたのだが、あの人はどのマイクでも『神マイク』って言うみたいだ。
とはいえ2022年8月25日~2022年9月30日までは期間限定・数量限定で割引セールをおこなっている。
Amazonでは9,000円~9,900円だ。今のところ最安はSound Houseだと思う。
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