【スライダーの動画レビュー】
映像を作っていく過程において、画を動かすことで様々な表現を加えることができます。
その一つの手法で僕が好んで表現することが多いのが“スライダーショット”です。
このスライダーショットがどんな表現なのか、
説明するよりも実際に見て頂いた方が早いですので、下記の動画をご覧ください。
(音が出ますのでご注意ください)
【スライダーサンプルショット】
こちらは、僕が撮影した東村山市にある女性専用フィットネススタジオ Freedom women’s fitnessの紹介動画から一部抜粋になります。
このクマを左から右に流す表現がスライダーショットになります。
この映像を作ったことが発端でスライダーショットにハマってしまいました。
このときはスライダーをレンタルしたのですが、自分の日常動画でもスライダー表現を取り入れたい。と思いまして、自分用のスライダーを購入しました。
今回購入したのは【NEEWER カメラ用電動スライダー 31.5インチ】です。
この記事更新時点で¥10,399(税込)となっています。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
目次
まずこのスライダーのについて
いきなり良くない点を挙げるみたいですが、製品自体の良くない点ではありません。楽天とアマゾンでの価格差です。
本記事更新時点でAmazon価格が¥25,949 楽天(MRM楽天市場店)だと¥10,399(税込)となっておりまして、その価格差が約15,000円となっています。
なぜか、もの自体は全く一緒なのに楽天市場の方が15,000円ほど安くなっているという状態です。
勝手な推測ではありますが、楽天市場の方は並行輸入品と書いてあるので、それが安い要因の一つかな?
と思っていますが、実際の所はわかりません。
そして、今回僕が買ったのは楽天(MRM楽天市場店)の方です。
全く同じ製品で、僕が求めている機能を満たしてくれるなら並行輸入品でも大丈夫。安い方がむしろ良いと思い、ちょっと不安ではありましたが約10,000円の楽天市場で買いました。
Neewer カメラ用電動スライダー 31.5インチ スペック
材質 | アルミ合金(トラックはカーボンファイバー製) |
---|---|
スライダー走行時間 | 18秒〜15分 |
バッテリー時最大連続使用時間 | 3時間 |
積載量 | 10kg |
長さ | 31.5インチ/80cm |
トラックの重量 | 3.1kg |
レールがカーボンファイバー製なのに価格が10,000円というのは破格の安さだと思います。
しかも外付けではありますが、モーターを付けることで電動になるというのも評価できる点です。
外観
雲台を取り付ける部分には3/8インチねじが搭載されています。
センターの裏側には1/4インチと3/8インチのねじ穴が切ってあります。
左右の裏側にも1/4インチと3/8インチのねじ穴が切ってあります。これで三脚二本体勢でスライダーをより安定して支える事ができます。
モーターはSONYのNP-Fバッテリーを使用します。脱落防止のマジックテープが付けられます。マイクロUSB端子もありますので、モバイルバッテリーやUSB-ACからも電源供給できるようです。
ズバリ悪い所
実際にまだ購入してから日が浅いですが、少し使った上での良い所と悪い所を挙げていきたいと思います。
ただ、他社のedelkroneとかashanksとかManfrottoとかと比べると価格差もありあまりに酷なので、10,000円という価格を加味した状態での感想になりますので予めご理解ください。
モーターの耐荷重が2.5kgまで
このスライダーの一番良い所とも言える電動スライダーですが、モーターを使い自動で動かす場合には2.5kg以下でなければいけません。
そもそも10,000円で電動スライダーという時点でここまで求めるのはかわいそうなのかもしれませんが…。
僕が想定している使い方ではこのスライダーに乗せる可能性があるカメラは
- GH5+25mm f1.4
- GH5+12-40mm f2.8
- EOS R+RF28-70 f2 L USM
このなかで一番問題なのがやはりEOS R+RF28-70 f2 L USMです。
先日、このRF28-70F2L USMのレビュー記事を載せましたので興味あればぜひご覧ください。
この記事でもお伝えしていますが、RF28-70F2L USMはとにかく重いです。
レンズだけで重量1,430g、EOS Rの重量は約660gですので、この時点で約2,100gです。
ここに400g以下の自由雲台或いは何かしらのヘッドを搭載させる必要があります。
しかし、軽い自由雲台はそもそもRF28-70F2L USM+EOS Rの重量を支えきれない可能性がある。
という重大なデメリットが存在します。
今回、このスライダーに乗せるようとして同時に購入したのが同じくNEEWERの自由雲台です。
photo via Amazon.co.jp
この自由雲台の重量が13.6oz=385.5gとなっています。
RF28-70F2L USM 1,430g + EOS R 約660g + 自由雲台 385.5g
合計重量:2475.5g
これは…どうなんでしょう?
ということで試してみた
結論から言うと上記の条件でもスライダーは機能しました。
ただ一つ気になったポイントとして、動き始めが少しぎこちないということです。
雲台をパンさせないでスライダーだけの動きだとほとんど気になりませんが、
パンを組み合わせた状態でモーターを動かすと、初動の時にパンがカクッカクッと2〜3回一瞬止まるような感覚が出ます。
耐荷重が2.5kgなので、どうしても軽い雲台を使う必要が出てきます。
そうすると、通常僕が使っているような使い方である、マンフロットのビデオ雲台、MVH502AHと併用して使う事ができない。ということです。
まぁ、このビデオ雲台を使う形になったらモーターではなくて、手動でスライドさせる様にすれば良いわけなのですが…。
モーター付けると意外と重い
モーターを付けないでスライダーだけだと、持ったとき結構軽いなと感じたのですが、モーターを付けて持ち上げてみたら意外と重く感じました…。
モーターが着いていない状態を知っているからかもしれませんが、モーターだけで1キロくらい重くなったんじゃない?と錯覚するほどでした。
そこにバッテリーも付くから尚更かもしれません。
最高速だとモーターの高音が結構でかい
アプリ側でスピードの制御をできるのですが、やはり早いスピードだとモーターの高音が気になります。
レビュー動画では目の前でスライダーを動かしていたのですが、胸元に付けたピンマイクでもスライダーの高音を拾っていました。
ですので、インタビュー動画などを撮る時は被写体から少し離れたカメラをスライダーに乗せる方が良いかと思います。
僕の用途ですと、メインカメラがあってあくまでサブカメラをこのスライダーに乗せて動かす様に使うつもりです。
多分大丈夫だとは思うのですが、数メートル離れてもピンマイクに音が入ってしまうと非常に困った状態になりかねないですね…。
そのあたりも、どれくらいの距離までモーター音を拾ってしまうか確認していく必要がありそうですね。
モーターつけた状態だと収納が完璧ではない
これは少し大きめのケースなどを買えば済む話ですが、一応お伝えしておきます。
モーターを付けた状態で、最初から梱包されていた袋に入れたとしても、モーターがある部分のチャックが閉まりません。
スライダーが端にあると、片方のチャックしか閉めることができませんので、どちらかというとモーター部分はスライダーの真ん中に移動し、そのままの状態で収納した方がファスナーの耐久性などにも良いかもしれません。
良い所
安いが作りはしっかりしてる
スライダーは価格の差が顕著に表れる特機と言っても良いでしょう。
一番価格によって差が出るのがスライダーのなめらかさです。
価格が高いモノは、ベアリングだったりローラーだったりがしっかりと作り込まれていたり、グリスがしっかりと塗り込まれていて、スライドの硬さ調整をできたり、ゆっくりでもそこそこ滑らかにすべらせることができる特徴があります。
逆に安いモノだと引っかかりが出てしまったり、動いている最中に滑らかなスライドを表現できずカクカクしたスライドになってしまう事も多々あります。
どういう意味で言うとこのNEEWER電動スライダーは結構スムーズに動く様な印象を受けました。
実際にEOS RにRF28-70F2L USMを付けた最大重量の状態でも、スライドがカクカクすることは無くスムーズに動きました。
雲台の自動パンは動き始めの初動が少しカクカクっとした印象を受けましたが、これはイーズイン/イーズアウトによる弊害なのかもしれません。
ゆっくりモーターが動き始めて、ゆっくりモーターが止まるので、その際のパンの動きがぎこちないのかもしれません。
雲台を自動でパンさせられる
通常スライドに合わせてパンさせるときは、ビデオ雲台を使用するのが一般的なのですが、このNEEWERのスライダーはレールの真ん中に、もう一本ポールが追加されており、このポールを事前に設定しておくことで取り付けた雲台が自動でパンする構造になっています。
この自動パン雲台とかも買わなくて済むので非常にこれは便利です。
【トラッキングシューティング(Tracking Shooting)】
一つの被写体を追い続ける様に雲台をパンさせるモード
photo via Amazon.co.jp
【120°パノラマ(120 Degrees Panorama)】
120°のパノラマ表現をできるモード(モーションラプスなどで使用)
photo via Amazon.co.jp
このように自動雲台パン機能を使うとさらに表現の幅が広がります。
この機能を使う場合は、左右(上下?)のレールの間に挟まれているポールを動かす事によって可能になります。
動きに関しては動画で詳しく解説していますのでそちらをご覧いただけると幸いです。
トラッキングシューティングは便利
僕は基本的にこの機能を使う場合は自撮りが多い事が予想されます。現時点では自撮りでしかおこなっていませんが非常に便利な機能だと感じました。
スライドのモーターに連動してパンする形になりますので、動きムラも無いように感じられます。
自撮りだとカメラを動かす表現がなかなか難しいのでこういった機能を自動で制御できるのは非常にありがたく、表現の幅が広がります。
スライダー両端に三脚穴がある
意外と便利なのが、スライダーの両端に掘ってある三脚穴です。
31.5インチ(約80cm)のスライダーで、上にカメラを置いた状態で端にカメラが移動すると非常にバランスが悪くなります。
場合によっては水平自体が崩れる事も考えられます。
さらに三脚自体の耐荷重をオーバーしかねないので2本でこのスライダーを支えられれば動きも安定し、尚且つ三脚への負担も分割させることができる機能です。
この三脚穴は到着するまで本当にあるのかな?と半信半疑でしたが、ちゃんと掘ってあり左右でスライダーをしっかり支えられますので安心してください。
とりあえず安い
何より電動スライダーで1万円前半ということ自体がそもそも考えられないです。
値段の高いスライダーを実際に使用したことは無いので厳密な比較はできませんが、1万円ということを考えると非常にコスパが良い製品だと思います。
モーターを動かす用のSony NP-F550バッテリーも付属してきます(互換品ですが)
このNP-F550バッテリーと充電器をAmazonで買おうとすると恐らく2,000円位にはなると思います。
さらに電動モーターも別売りのメーカーがほとんどだと思います。
そうなるといよいよ、スライダー自体の値段は実質いくら?
という話になってきます。
SONYのバッテリー
スライダー
電動モーター
この3点が付いて購入価格10,000円。これは非常に良い買い物だったと言わざるを得ません。
Amazon製品との違いは?
Amazonの25,000円の製品を買ったわけでは無いので、厳密な比較で100%合っているかはわかりませんが、僕の求める機能としては楽天市場の方の10,000円で買えるスライダーで網羅されています。
ここにどんな機能が追加されたらプラス15,000円出せるか考えると…。
なんとも言えません。
あえて挙げるのであれば、モーターの耐荷重ですね。
この製品は2.5kgですので、プラス15,000円で耐荷重が7kg位になってくれると非常にありがたいです。
ただ、実際の所Amazonの商品説明欄にも電動スライダーをアプリ制御するときの耐荷重は2.5kg以下です。
と書いてあるので本当に製品自体に差は無いんでしょうね。
そんなわけでこれから頑張ってスライダー表現を取り入れて印象づけられる動画を作って行きたいと思います!
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