2023年1月18日に急遽発表されたM2 Pro/M2 Max搭載新型MacBook Pro。
M2 Max MacBook Pro 14インチを買う前までのメインPCはALIENWARE Area-51m r2だ。
DELLが販売しているゲーミングPCブランドのALIENWARE。
その中でも【Area-51】という名前を関しているシリーズは少なく、ALIENWAREの中でもハイエンドモデルにしかつけられない名前だ。
ただしこのALIENWARE Area-51m r2はラップトップではあるが本体重量が4.8kgある。
性能には満足しているが如何せん重量が厳しい。
外でもメインPCと同じような性能を発揮できることを期待し【軽量化】と【性能】を求めた結果、今回M2 Max MacBook Pro 14インチを購入するに至ったのでレビューする。
この記事の目次(クリックでジャンプ)
目次
M2 Max MacBook Pro 2023のスペック
今回購入したMacBook Proは下記の通りカスタマイズした。
- 14インチ
- M2 Max(12コアCPU 38コアGPU)
- 96GB RAM
- USキーボード
- 税込644,800円
Appleシリコンを搭載したMacBook Proの最大の特徴は消費電力あたりのパフォーマンスだ。
現在のメインPCであるALIENWARE Area-51m r2とほぼ同等のパフォーマンスでサイズを小さくし重量も軽量化する。
外出先でも最高のパフォーマンスを発揮してくれることを望んでいる。
16インチモデルの方がCPUのクロック周波数は高く設定されていると言われているが、14インチに決めた理由は【軽量化】だからだ。
本体価格自体は高く付いたが、その価格を払うに値するかどうかが判断基準になる。
メインPCとの比較
多くの人にとっては何の参考にもならないが、現在僕がメインで使っているWindows PCとの比較する。
M2 Max MacBook Pro |
ALIENWARE Area-51m r2 |
|
---|---|---|
画面サイズ | 14.2インチ | 17.3インチ |
解像度 | 3024×1964 | 3840×2160 |
SSD | 2TB | 1TB |
RAM | 96GB | 64GB |
定格電力 | 96w | 570w |
本体重量 | 1.63kg | 4.8kg |
ACアダプタ重量 | 約295g | 240w:約800g 330w:約1,300g |
システム総重量 | 約1.9kg | 約6.9kg |
USB-A | ー | 3 |
USB-C | 3 (Thunderbolt4) |
1 (Thunderbolt3) |
HDMI出力 | 1 | 1 |
Mini Displayポート | 0 | 1 |
SDXCカードスロット | 1 | 1 |
購入価格 | 644,800円 | 550,000円 |
M2 Max MacBook Proの詳細
今までメインPCとして活躍してきたALIENWARE Area-51m r2に比べると、画面サイズが小さくなり、画面解像度も小さくなっている。しかしその代わりにシステム総重量として約5kgの軽量化を実現した。
ただ解像度が下がったとはいえ画素密度で言うと、ALIENWARE Area-51m r2が255ppi、MacBook Pro 14インチ版が254ppiとほぼ同じだ。
画素数の数値上はスペックが下がったと言えるが、それを補ってあまりある軽量化を実現していると断言できる。それでいて、高いパフォーマンスと省電力性能を実現している。
M2 Proの場合は67Wの電力供給で事足りるが今回購入したM2 Maxだと96Wの電力供給を必要とする。というのがスペック上で言われている一般的な電源規格だ。
しかし僕は電源アダプターに関してはRAVPowerのGaN採用61W電源アダプターを使用している。
61Wでも時間はかかるが十分充電することが可能だ。しかも同梱の96Wアダプターは約295gなのに対し、RAVPowerのGaN採用61W電源アダプターは約105gだ。
ここでも約200gの軽量化を実現することができ、この場合のシステム重量は約1.7kgに抑える事ができる。
ちなみに僕はAUKEYの100W充電器も所有している。これは100W出力可能なのに重量は約152gと純正の約半分だ。厳密な使い分けをしているわけでは無いが早く充電したい時だけ使う時がある。
M2 Max MacBook Pro 14インチの各種性能計測
今回あえてスペック盛り盛りでM2 Max MacBook Proを購入したのは重量を軽量化しつつそのままの性能を維持する。という願望を実現するためだ。
『PCが軽くなりました。』だけでは意味が無い。軽くなりつつ、現在の自宅の環境・パフォーマンスをそのまま外出先でも実現することが目標となる。
このブログを書く程度ではどんなPCでも行うことはできるが、僕のタスクの中で最もPCに負荷をかける作業といえば【動画編集】だ。
お客さんの動画に関しては未だにフルHDで済んでいるが、個人的な趣味の撮影や自分のYouTubeでは既に4K化をしている。
遊びで撮影しているディズニーランドの動画に関しては8K化もしているのが現状だ。
フルHD動画の書き出し
まずはフルHD動画の書き出しに関して計測していく。約11分の動画だが基本的な編集は【ボイスフォロー】のみ。所々4Kのインサート画像があったり、テキストにエフェクトを追加したりするが数は多くない。
10分53秒の動画 | M2 Max MacBook Pro |
ALIENWARE Area-51m r2 |
---|---|---|
レンダリング | 1分58秒 | 3分9秒 |
書き出し | 1分12秒 | 1分36秒 |
約11分の動画だがフルHDであれば非常に早く書き出すことができる。書き出し時間はそれほど差が出なかったが、レンダリングでは約1分の差が出た。
レンダリングをすることは個人的なワークフローではほぼ無いが、普段から頻繁にレンダリングを多用する人はこのスピード感は役立つだろう。
また、僕の環境によるところが大きいと思うが、ALIENWAREでレンダリングを行う際は何度やってもエラーが発生してしまい再起動を余儀なくされた。再起動後はエラーも出ず書き出す事はできたがM2 Max MacBook Proではそのようなことは起きなかったので少し気になる所だ。
次にATEM Mini Extreme Pro ISOで収録した約3時間の動画の書き出しテスト。
ATEM Mini Extreme Pro ISOの各ビデオ入力ソースのビットレートは可変式でしかも結構高い。
フルHDのライブ配信を行った素材に関しては5,000kbpsもあれば事足りることが多いので、毎回イベント終了後にビットレートを下げた動画を書き出している。これの書き出し時間も比較してみた。
これは単純にビットレートを下げたファイルに変更したいだけなので、編集は一切加えていない。圧縮をかけただけのような状態だ。動画が分割されていたため2つのファイルを1つにまとめ、ビットレートを落とす書き出しとなる。動画の長さは3時間3分。
約3時間の動画を書き出し | M2 Max MacBook Pro |
ALIENWARE Area-51m r2 |
---|---|---|
35分57秒 | 40分02秒 |
編集をしていないとはいえ、3時間の長さの動画を圧縮かけるとなると結構書き出し時間がかかることが予想されたが割と短く済んだ印象だ。
どちらも書き出し経過時間は35分を示していたが、Alienwareの方は「残り時間00分00秒」になってから完了になるまで約5分程かかっている。最終的に書き出し完了のチャイムが鳴ったのは上記の時間であり、そこまで考慮すると約4分の差が出た。
M2 Max MacBook Pro気になるところ
執筆時点でM2 Maxを購入から約1ヶ月使用してきた。ほぼ気になるところは無いと言っても良いくらい満足している。そのため気になるところとは言うが重箱の隅をつつくような形になりそうだ。
14インチは少し小さい
今回は軽量化が最大の目的だったため、16インチではなく14インチを選択した。自分で理由を持って選択したサイズだから文句は無いし後悔もない。
強いて挙げるなら、Alienwareは17インチの画面なため、比較すると小さいと感じる。
しかし先述したが、ppi計算ではほぼ同じため作業領域自体に大きな変化はない。
ただし、作業領域に変化は無いがそのまま14インチに縮小しているため単純に各種要素が小さい。ワードプレスのテキストを打っている時など特にそういった感覚を顕著に感じる。
USB-Aが欲しい
MacBook Pro自体暫く前からTypeーCに端子を統一してきた。むしろHDMIやSDカードスロットを搭載するようになっただけでも改良だ。
しかし、今メインで使っているマウスはLogicoolのG502 LIGHTSPEED ワイヤレスだ。
Bluetooth接続ではなくUSBレシーバーを使った接続のため、USB-Aによるレシーバー接続が必要となる。その度に変換アダプターを噛ませたり、USB-Cハブを接続したりしている。
これが面倒くさい。それも面倒な場合はBluetoothのMagic Mouseを使えということだろう。
マウスの設定がゴミ
MacBook Proと接続するマウスにG502 LIGHTSPEEDを使用している弊害か、マウスの挙動がゴミ以下のゴミ仕様だ。
- ブラウザにおけるホイールスクロールが1mmくらいしか動かない
- 加速度の設定の有効/無効にした場合の弊害
- サードパーティー製アプリを組み合わせないと使い物にならない
マウスの設定だけが本当にゴミ以下で、どうにかサードパーティー製アプリを駆使してメインPCの挙動に近づけた。この辺はWindowsユーザーがMacに乗り換えた際ほぼ必須になる工程だろう。
気が向いたらその記事も作ろうと思う。
M2 Max MacBook Pro良いところ
約5kgの軽量化は革命的
M2 Max MacBook Proを購入した最大の理由は重量を減らすことにあったが、その点に関しては全く文句が無い。
ALIENWARE Area-51m r2は電源アダプター2つを含めたシステム重量で言うと6.9kg。大してM2 Max MacBook Proのシステム重量は1.99kgだ。
本体重量が1.6kgと軽量なのにも関わらず各種動画の書き出しテストでは軒並みメインPCのALIENWARE Area-51m r2を上回ってきている。
パフォーマンスを維持したまま軽量化を目指す。という目的は見事に達成できたと言える。
ましてや、僕の環境ではRAVPowerの61w電源アダプターを使用しているため、この環境だとシステム重量は1.80kgだ。
※キーボードカバーとキーボードクロスを装着した状態の重量
AUKEYの100W充電器を使用した場合でも1.85kgと革命的軽さを実現している。純正の96wに比べると100gしか変わらないが、アダプター本体のサイズ感を考慮すると【小さくなり100g軽量化】できることになる。
長過ぎるバッテリーライフ
今回のM2 pro/M2 Max MacBook Proのキャッチコピーの一つに『疲れを知らないスタミナ。』というものがある。
このキャッチコピーに偽りは感じられない。ちょっとした外出であれば電源アダプターを持ち歩く必要が無いくらいバッテリーの保ちが良い。
動画編集というバッテリーの消費が激しい作業をしているのに2時間弱作業をしていても25%位しか減っていないこともある。単純計算で8時間動画編集をバッテリーだけで行える。
軽量化を目的に購入したが、これだけバッテリーの保ちが良いと電源アダプターを持ち歩く必要すら無くなるレベルだ。更なる軽量化も実現できる。
とりあえず満充電にしておけば丸1日は保つため『電源があるカフェを探そう』と思う必要が無くなってきている。
高すぎるパフォーマンス
もう何度も言っているが、今回購入した目的はあくまで軽量化だ。そしてパフォーマンスについては『できればメインPCのALIENWARE Area-51m r2に近い性能だとありがたい。』という程度の要望だ。
しかし、今回のテストでは軒並みメインPCであるALIENWARE Area-51m r2のパフォーマンスを上回ってきている。
メインPCを乗り換えることも検討するレベルだ。
もちろんイベントの配信に使うOBSはWindowsの方が安定しており使い勝手も良いので完全に使わなくなることは無いし、4K17インチの広い作業領域による操作は捨てがたい。
どちらを使うか執筆時点でもまだ決めかねている状況にある。贅沢な悩みだ。
完全移行すべきか検討するレベル
外出時であれば当然軽くてバッテリー保ちが良くてパフォーマンスも高いM2 Max MacBook Proを持って行く。
しかし自宅で作業する場合は、外部ディスプレイも接続するし重量は関係無い。若干パフォーマンスは劣るが17インチという広い作業領域。これらの要素をどう考えるか未だに悩んでいる。
性能を考えると明らかにM2 Max MacBook Proの方が高いだろう。
しかしマウスの操作性や作業領域などを考えると、10:0でM2 Max MacBook Proの方が良い。とも言い切れないのが現状だ。
Adobe系ソフトにおいてキーボードショートカットを使う場合、Windowsだと日本語入力時は機能しないという仕様のためワークフロー的にはMacの方が使い勝手が良い。というところも悩ませる要素の一つだ。
メインPCをどちらにするか。今後の作業次第である。
乗り換えても乗り換えなくてもほぼ同じパフォーマンスを発揮できるモバイル/デスクトップ、Win/Macを持っていると考えれば非常に贅沢な環境であり贅沢な悩みを抱えている。
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