以前、当ブログで自動ゴミ収集ドック付きのコードレス掃除機「UWANT V500」と、布団クリーナー「UWANT M100」をレビューした。
特にV500は「約2万円台で自動ゴミ収集ドックと緑色LEDが付くコスパの良さ」に驚いた一方で、「本体が重い」「ヘッドの車輪がフローリングを転がるゴロゴロ音がマンションだと響く」「使い続けていると回転ローラーに毛が絡みつく」という明確な弱点もあった。
そんなUWANTさんから今回新たに提供してもらったのが、最上位フラッグシップモデルとなるコードレス掃除機「UWANT V800」だ。
結論から言うと、このUWANT V800は「そもそもヘッドに回転ローラーが無い(だから物理的に髪の毛やペットの毛が巻き付かず、粒ゴミも弾き飛ばさない)」という構造を採用している。
さらにV500で不満に感じていた「車輪のゴロゴロ音」や「付属品の露出収納」「ダストカップの外しにくさ」が改善されていた。
実際に数日間使い込んでみると、「ラグマットの上では吸引力が強すぎて&回転ローラーの推進力が無いため動きがすごく重くなる」「低い家具の下を掃除するときはV500より手首の負担が大きい」「片手では電源ボタンに指が届かない」「ダストカップを戻すときに黒いラバー部分が引っかかると、上部にゴミが溜まって下に落ちなくなる」といった注意点も見えてきた。
今回は前モデル「UWANT V500」と比較しながら、UWANT V800の実力とメリット・デメリットをレビューしていく。
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結論:UWANT V800を実際に使って分かった総合評価
最初に、UWANT V800を数日間使って感じた結論(良かった点と気になった点)をまとめておく。
- 回転ローラーを廃止した「掃振(そうしん)ブラシ」で、長い毛やラグマットの抜け毛が絡まない
- 回転ローラーが無いことで粒ゴミを前後に弾き飛ばさず、その場にあるゴミをその場で確実に収集できる
- V500でうるさかった「ヘッドの車輪が転がるゴロゴロ音」が静かになり、転がり抵抗も減ってフローリングで動かしやすい
- 150°広角グリーンLEDがV500(110°)より広く、微細な毛やホコリが浮き出る
- 全自動ステーションの質感が高く、付属ノズル2種もステーション内部に隠して収納できる
- フローリングではスムーズだが、ラグマット上では「回転ローラー無し+強い吸着」で動かすのがかなり重い
- ハンドルの形状が手にフィットする形へ改善されグリップ感が向上し握りやすくなっている
- ハンドルの改善でV500並みの体感には抑えられているが、元々のV500が重いのでV800も普通に重い(女性にはしんどい)
- グリップを握ったまま親指で電源ボタンに届かないため、ON/OFFやモード切替は「両手操作」が必要
- 車輪がよく転がるぶん壁への立てかけや自立はほぼ不可能(床に寝かせるかステーションに戻す運用が基本)
一言で言えば、「軽さよりも、毛絡み掃除やゴミ捨て・フィルター掃除の手間を減らしたい人」に向いている掃除機だ。
UWANT V800の同梱物と全自動ステーションの進化(V500と比較)
まずは開封して同梱物と外観をチェックしていく。
箱の中に入っている同梱物は以下の通りだ(※上の写真に加えて全自動ステーション本体が付属する)。
- UWANT V800 掃除機本体(ダストカップ・HEPAフィルター装着済み)
- 全自動ステーション(充電・自動ゴミ収集・収納ドック)
- 延長金属パイプ
- 掃振(そうしん)フロアブラシヘッド(メインヘッド)
- ダニ除去ブラシ(UV除菌ライト&シリコンローラー搭載)
- 4-in-1 スリム隙間ノズル
- 着脱式バッテリーパック(3,200mAh)
- 3L抗菌ダストバッグ(紙パック)×2枚(※1枚は最初からステーション内に装着済み、もう1枚が予備)
- 取扱説明書・保証書
ステーションの質感が向上し、ノズルも内部に隠せる構造へ変更
開封して最初に感じたのが、全自動ステーションの質感と高級感がV500から大きく引き上げられているということだ。
白いプラスチック感が強かったV500に対し、V800はマットシルバーとブラックの落ち着いたツートンカラーになっており、部屋に置いても安っぽさがない。
また付属アタッチメント(ノズル)の収納場所も変更されている。
従来のV500は、上の写真のようにスタンドの足元に隙間ノズルやブラシをむき出しで立てておくタイプだったため、見た目がごちゃつきやすくホコリも被りやすかった。
一方V800では、ステーションの中にノズル類を丸ごと隠して収納できる設計に変わっている。
ただV800のステーションは継ぎ目がわからないほどフラットに作られているため、最初「え、これどこ開くの?」とまったく分からなかった。
側面左側上部のオレンジラインが入った突起に指をかけて引くと、マグネット式になっている側面カバーが丸ごと外れる仕組みになっている。
カバーを外すと、上段に「3Lの大容量ダストバッグ(紙パック)」があり、その下のスペースに「ダニ除去ブラシ」と「隙間ノズル」の2つが縦に収まる構造になっている。
外からノズルが見えない状態で収納できるのでV500よりかなりスマートになったポイントだ。
なお、V800のダストバッグ(3L)と従来のV500のダストバッグ(2L)はサイズも取り付け口の形状も異なるため互換性はない。予備を購入する際はそれぞれの専用品を選ぶ必要がある。
持ち上げずに戻せる「押し込み式ドック」は便利だが、戻す時に一瞬引っかかりがある
また、掃除機本体をステーションへ戻す方式もV500から変わった。
V500は「掃除機本体を上から持ち上げてスタンドに挿し込む」方式だったが、V800は床を転がしたままステーション下部のスロープへ押し込む「プッシュイン(押し込み)式」を採用している。
約3kgある掃除機を毎回持ち上げなくて済むのはメリットなのだが、実際にフローリングの上で出し入れしてみると1つ気になった点がある。
上の写真に注釈を入れた通り、ステーション台座のスロープ部分に先端のヘッドを乗り上げさせて戻すとき、車輪が段差を越える瞬間に「一瞬の引っかかり」が発生する。
片手で軽くスルスルと押し込めるわけではなく、少し勢いをつけて押し込むか、もう片方の手でステーション台座を押さえながら押し込む必要がある。
また、ステーションに収納するとパイプ中央が自動でロックされて倒れない仕組みになっているため、取り出す際も「右手でグリップを持ち、左手でステーション側面のロック解除ボタンを押しながら手前に転がして引き出す」という両手での動作になる。
UWANT V800 最大の特徴3つと実機検証
ここからは、UWANT V800の3つの特徴を実際の検証写真とともに見ていく。
特徴1:回転ローラーが無い「掃振(そうしん)フロアブラシ」
「髪の毛やペットの毛が絡まないブラシ」とは聞いていたのだが、ヘッドを裏返して見て驚いた。
そもそも、普通の掃除機に付いている「円筒形の回転ローラー」そのものが存在しない。
最初は正直、「これ、どうやって動くの?」と疑問に思った。
仕組みとしては、回転する芯をなくす代わりに、「ソフトブラシストリップ」が毎分1,050回高速で微振動し、床やラグマットのゴミを浮かせながら中央の吸引口へ直接吸い込む「VibraSweep(掃振ブラシ)」という機構になっている。
ブラシの動きをスローモーション撮影した様子(音無し)
上記のスロー動画で分かる通り、ブラシが回転はしないが奥から手前に引き込むような動き方をしている。
これによって回転する軸は存在しないが吸引口にゴミを持ってきて吸い込む挙動となっている。
回転する軸自体が存在しないため、物理的に髪の毛やペットの毛が巻き付かない構造だ。
ちなみにこのVibraSweep(掃振ブラシ)も替えが存在するので、劣化してきたら買い換えとなる消耗品の扱いだ。
特徴2:V500より広い「150°広角グリーンLEDライト」
2つ目の特徴が、ヘッド先端に搭載された「150°広角グリーンLEDライト」だ。
前モデルのV500にも緑色LEDは付いていたが、V500の照射角が「110°」だったのに対し、V800は「150°」の広角レンズへと広がっている。
部屋を暗くして、V500とV800のグリーンLEDの照射範囲を真上から比較したのが以下のスライダー画像だ。
中央のバーを左右に動かして見比べてみてほしい。
V500(左側)に比べ、V800(右側)はヘッドの横方向まで広く照らしているのが分かる。
実際にフローリングの上を照らすと、より広角で照らしてくれる関係上ゴミを見つけやすくはなっている。
特徴3:3回に分かれて動作する「ダブルスクレイパー自動ゴミ収集」
3つ目の特徴が、ステーションに戻した際に行われる「自動ゴミ収集&セルフクリーニング」だ。
V500の時はステーションが1回吸引してすぐ終わる仕様だったが、V800では「吸引→停止→吸引→停止→吸引」といくつかに分かれて動作する。
どのタイミングでなにが行われているのか、詳しい仕様は分からないのだが、
恐らく
- パイプ内に残ったゴミをダストカップへ取り込む
- ダストカップ内の各フィルターの清掃+ダストボックス内へゴミを吸引(これが2〜3回)
- VibraSweep(掃振ブラシ)の清掃
この段階で進んでいるはず。
1回あたりの集塵音のピーク自体はV500より少し抑えられている印象だが、これらの複数回繰り返される清掃工程によって、単純にクリーニングが終わるまでの時間は長くなっている。
ただ、そのぶん金属メッシュに張り付いた細かいゴミまで自動で落としてくれるため、ダストカップ内が綺麗に保たれる仕組みだ。
【実演検証】フローリング&ラグマットの吸引テストと「毛絡み」比較
続いて、「回転ローラーが無いV800のヘッドで、フローリングの微細なホコリやラグマットの抜け毛をしっかり吸い取れるのか?」を、回転ローラー式のV500と比較した。
1. フローリングの吸引テスト(回転ローラーが無いからゴミを弾き飛ばさない)
まずはフローリングでの吸引テストだ。
部屋の照明を落としてローアングルから撮影し、掃除する前(Before)と1往復させた直後(After)を比較したのが以下のスライダー画像だ。
グリーンLEDでフローリング上の微細なホコリや粒ゴミ・抜け毛が浮き出ていた(左側・掃除前)が、V800を1往復させただけで、車輪にゴミを引きずることもなく綺麗に吸い取れている(右側・1往復後)。
さらに、このフローリングテストでV500とV800を比べていて「回転しないブラシならではの思わぬメリット」に気が付いた。
それが「回転ローラーがゴミを前後に弾き飛ばさない」ということだ。
従来のV500(1枚目)は、先端でローラーが高速回転しているためゴミを巻き込んでもくれるのだが、少し粒のあるゴミなどに当たると、回転するローラーが掃除機の後方(または前方)へゴミを弾き飛ばしてしまうことがある。
実際に、左側のレーンをV500で掃除し、右側のレーンをV800で掃除したあとの床を比較したのが次の写真だ。
写真の左上に赤枠で示した通り、隣を通過したV500が後方へ弾き出した粒ゴミが床に残ってしまっている。
一方で、物理的にローラーが回転しないV800(中央〜手前)は、ゴミを前後へ弾き飛ばすことが一切ないため、「その場にあるゴミをその場で」確実に収集することができる。
「回転しないローラーがどの程度良いのか」と最初は半信半疑だったが、フローリング上の粒ゴミを散らかさずに一発で吸い切れるのは非常に大きなメリットだと感じた。
2. ラグマットの吸引比較(V800 vs V500)
続いて、「ラグマット(カーペット)」での比較テストだ。
同じリビングのラグマットをV800とV500の両方で掃除し、それぞれ空のダストカップにどれくらいゴミが取れるかを比較した。
一見綺麗に見えるラグマットでも、V800で数往復させると、空だったダストカップの底に繊維の奥に入り込んでいた細い毛やホコリがしっかり溜まった(3枚目)。
一方、隣のエリアを従来の「UWANT V500(回転ローラー式)」でも同じように掃除してみた。
V500の方も回転ブラシと50,000Paの吸引力があるため、ラグマットのゴミ自体は同じようにしっかり吸い取れている。
一概に比較はできないが、V800の方がしっかり吸引できている気がする。実際ダストボックスのたまり方はV800の方が多い。
3. 大量の抜け毛吸引 & 長期使用時の「毛絡み」比較
ラグマット掃除においてV500とV800で何が一番違うのかというと、「ヘッドへの毛絡み(メンテナンスの手間)」だ。
正直なところ、先ほどのラグマットを1回掃除した直後に両機のヘッド裏面(上の写真)を見比べた時点では、V500(左)もV800(右)も毛絡みは発生していなかった。
しかし、V500を普段の生活でしばらく使い続けていると、回転ローラーに毛が溜まってくる。
上の写真は、我が家でしばらくV500を使い続けていたときのヘッドの様子だ。
我が家はなぜか非常に乾燥していてラグマットや床に細かいホコリが落ちやすい環境なのだが、回転ローラー式のV500は、使い続けるうちにローラーの周囲や透明カバーの内側に毛が巻き付いて溜まってしまい、定期的にヘッドから取り除く必要があった。
さらに分かりやすいテストとして、丸型ラグマットに大量の毛が付着した状態(下の写真)を用意し、V500とV800で吸引比較を行った。
まずV500でこの大量の毛を吸わせた直後の裏面がこちらだ。
V500もラグマットのホコリや毛はしっかり吸ってくれるのだが、上の写真にあるように「実はゴミを集めているだけ」というパターンもある。
続いて、同じ条件のラグマットを「UWANT V800(回転ローラー無しの掃振ブラシ)」で吸引してみた。
V800を往復させると、ラグマットに張り付いていた毛が綺麗に吸い取れた。
そして「大量の毛を吸った直後のV800のヘッド裏面」がこちらだ。
これくらいであれば毛が絡むこともなかった。
吸い込んだ大量の毛はヘッド裏に残ることなく、すべてダストカップ内へと吸引されていた。
回転ローラーに巻き付いた髪の毛やペットの毛を取り除く作業が嫌いな人にとって、「そもそも回転するローラー軸が無いから、ヘッド裏の毛絡み掃除をしなくて済む」というのは大きなメリットだ。
付属アタッチメント2種(ダニ除去ブラシ&4-in-1隙間ノズル)
ステーション側面に収納されている2つの付属アタッチメントについても触れておく。
1. 近接センサー式「UV除菌ライト」搭載のダニ除去ブラシ
1つ目は、ベッドのマットレスやソファ、クッションなどを掃除するための「ダニ除去ブラシ」だ。
以前レビューした布団クリーナー「UWANT M100」と同様に、シリコン製の羽根とブラシを組み合わせたローラーが内蔵されている。
また裏面には近接センサーが付いており、対象物に接地したときだけ紫色の「UV除菌ランプ」と赤色LEDが点灯する仕様になっている。
ただ「UWANT M100」のように「65℃の温風が出る」といった機能はないため、基本的には掃除機のアタッチメントとして吸引+UV照射を行うものとなる。
2. 伸縮&先端が回転する「4-in-1 スリム隙間ノズル」
もう1つの「4-in-1 スリム隙間ノズル」は、長さを伸縮できるほか、先端のブラシパーツを回して角度を変えられる。
サッシの隙間や棚の上、デスク周り、車のシート隙間など1本で幅広く対応できる。
ダストカップ・フィルターの分解方法と「組み立て時の引っかかり注意」
ここでは、ダストカップとフィルターのメンテナンス手順と、僕が実際に遭遇した「組み立て時の引っかかりによるゴミ詰まり」について共有しておく。
今回、撮影のために一度本体のダストカップを分解して元に戻したあと、そのまま掃除したところ、「吸い込んだ毛がダストカップの上部に溜まってしまい、ステーションで集塵しても下に落ちてこない」という現象が起きた。
よく確認してみたところ、ダストカップ内部のパーツを戻す際に黒いラバー(ゴムパッキン)部分が途中で引っかかってしまい、本来なら下がってはいけない内部パーツが下がった状態になっていたことが原因だった。
その結果、本来ならダストボックスの下側に吸引されるはずのゴミが上部へ入り込んでしまっていた。
分解手順とあわせて、戻すときに注意すべきポイントを載せておく。
本体ダストカップとHEPAフィルターの取り外し手順(V500より外しやすい)
まず、本体からダストカップを取り外すインターフェースだが、ここはV500からかなり使いやすくなっている。
V500はダストボックスの「底面」にリリースボタンがあり、「ボタンを押しながら本体を支えて引いて外す(押すと引くの両方の動作が必要)」という仕様で非常に外しにくかった。
その点、V800は「本体側面」にリリースボタンがあるため、本体を支えつつリリースボタンを押すだけで、何の引っかかりもなくダストボックスを外すことができる。ダストボックスを外す機会自体はそこまで多くないが、細かい改良で使い勝手が良くなっている。
外したダストカップは、上部のオレンジ色の半円ハンドルを起こし、「🔓(アンロック)」の方向へ回して引き抜くと、透明カップと内部のサイクロンユニットに分離できる。
さらに中央の黒いツマミを持って引き抜けば、オレンジ色のメッシュが付いた「円筒形HEPAフィルター」を取り出せる。
【注意】戻すときは「黒いラバー部分」が引っかかってパーツが下がっていないか確認する
そしてサイクロンユニットを透明カップへ戻す際だが、まず外側の「黒いレール」と上部の「黒い突起」の位置を合わせて差し込む。
このとき、向き自体は合っていても、内部の黒いラバー(ゴム)部分が引っかかってパーツが下がった状態になっていないかに注意してほしい。
- × Wrong(左・引っかかった状態):黒いラバー部分が引っかかり、内部のパーツが下に落ちてきてしまっている。この状態で掃除すると、本来ダストボックスの下側に吸引されるはずのゴミが上部へ入り込んで溜まってしまう。
- ○ True(右・正常な状態):ラバーが引っかからずにパーツが上がった状態で、金属メッシュフィルターがしっかり見えている。この状態ならゴミはすべて下のダストボックスへ正常に溜まる。
引っかかりを直して正しく装着し直してからは、上部にゴミが溜まることはなくなり、ステーションで綺麗に集塵できるようになった。
ステーション側の「2つの黒スポンジフィルター」の収納場所
また、掃除機本体だけでなく、全自動ステーション側にも2箇所の「黒いスポンジフィルター」が収納されている。
1つ目はステーション内の3L紙パックの真下から引き出せる保護フィルター(上段写真)、2つ目はステーション側面の下部から引き出せる排気フィルター(下段写真)だ。
どちらも中の黒いスポンジを取り外して水洗いできるようになっている。
ステーション側の黒いスポンジ2箇所は単体販売されていないため、水洗いして繰り返し使う仕様だ。
UWANT V800を数日間使って感じた「良いところ・悪いところ」
ここまでの検証と数日間の実運用を踏まえて、UWANT V800の「良いところ」と「悪いところ」をまとめる。
良いところ1:車輪のゴロゴロ音が静かになり、フローリングで動かしやすくなった
前回のV500レビューで「悪いところ」として挙げたのが、ヘッド裏の車輪がフローリングを転がるときの「ゴロゴロゴロ…」という振動音だった。
しかし、V800ではこの車輪の転がり音が明らかに小さくなっている。
V500(左奥)の車輪に比べて、V800(右手前)の後輪は大径かつ幅広に改良されている。
これによって転がり音が静かになり、マンションやアパートでもそこまで神経質にならずに済むようになった。
さらに車輪の転がり抵抗も低くなっている感覚があるため、フローリングの上ではV500に比べてより軽い力でスムーズに動かしやすくなっている。
良いところ2:回転ローラーが無いからゴミを弾き飛ばさず、確実に収集できる
先ほどのフローリング検証でも触れた通り、「回転ローラーが無いことで、ゴミを前後に弾き飛ばさずにその場で吸える」というのも実際に使ってみて気づいた大きなメリットだ。
V500のような回転ローラー式は、細かい粒ゴミなどに当たった際、回転の勢いで掃除機の後方(あるいは前方)へゴミを弾き出してしまうことがあった。
一方、物理的にローラーが回転しないV800はゴミを弾き飛ばすことが一切ないため、「その場にあるゴミをその場で」確実に収集できる。
良いところ3:1%刻みのバッテリー残量表示と、通常モードの十分な吸引力
本体上部のLEDパネルには、現在の吸引モード(省エネ/スマート/パワフル)に加えて、バッテリー残量が「100%」のように1%刻みの数字で表示される。
残量が数字でひと目で把握できるのはやはり助かる。
また、デフォルトの「スマートモード(A)」で使ってみた感想としては、ゴミの量に応じて頻繁にモードを切り替えている感じはあまりなく、ほぼ一定のモードで運転している感覚だった。
通常モードでも十分だと判断しているのか、あるいは制御の賢さが足りないのかは判断できないところだが、少なくとも通常モードのまま掃除していて吸引力が不十分だと感じることはほぼなかった。
良いところ4:ステーション台座の背面・左右側面にケーブル穴があり、設置場所を選ばない
もう1つ、実際に設置してみて「細かいところまで配慮されているな」と感じたのが、全自動ステーション台座のケーブル通し穴(配線スリット)だ。
上の写真にまとめた通り、ステーション台座の下部には「背面(後ろ側)」「左側面」「右側面」の計3箇所に電源ケーブルを出すための穴(切り欠き)が設けられている。
もし背面だけにしかケーブル穴がなかった場合、背面の壁にピタッと寄せて設置しづらかったり、ケーブルの向きに制約が出たりする。
しかしV800は背面と左右側面のどちらからでもケーブルを引き出せるため、以下のようにお部屋の環境に合わせて柔軟に設置できる。
- 背面に壁がある位置にステーションを立てても、左右どちらか横の穴を通してケーブルを出せる
- 仮に「背面と左側面の2辺が壁(部屋の左奥の角)」だったとしても、右側面からケーブルを出せる(逆の右奥の角なら左側面から出せる)
- 単純にコンセントが近い側の側面から最短距離でケーブルを出せる
スタンドを立てる位置を狭めない、実用面でありがたい工夫だと感じた。
良いところ5:エアガンのようなグリップ形状で握りやすく、ホールド感が高い
5つ目は、「本体のグリップ(持ち手)が非常に握りやすい形状に進化していること」だ。
上の比較画像の通り、従来のV500(左)は断面が丸形に近い太めのパイプのようなグリップ形状だった。
それに対してV800(右)は、エアガンのグリップ(ガングリップ)のように適度な角と傾斜がついたエルゴノミクス形状になっており、握ったときに手のひらから指先までピタッとフィットしてホールド感が大きく増している。
V800は本体重量が約3.2kg前後とスペック上はV500(約2.6kg)より増えているのだが、この握り込みやすいグリップ形状のおかげで実際の重さを感じにくく、体感としてはV500と同じくらいの重量感に抑えられている。
悪いところ1:回転ローラー無し+強吸引の影響で「ラグマットの上」では動きがすごく重い
ここからは実際に数日間使って感じた弱点を書いておく。
まず1つ目が、「フローリングではV500よりスムーズに動かせるのに、ラグマットの掃除に入った途端、動きがかなり重くなる」という点だ。
これには2つの理由が考えられる。
- 回転ローラーが無いため、前方に押すサポート力が弱いこと
V500のような回転ローラー式と比べると、ブラシの回転による前へ進むサポートが無いため重く感じている可能性が1つ。 - 単純に吸引力が強くてラグマットに吸い付いていること
もう1つは吸引力の強さによる吸着だ。というのも、V500では掃除中にラグマットが持ち上がったことは一度もなかったのだが、V800ではラグマットが一瞬持ち上がる瞬間があった。
それだけ強く吸着(吸引)しているということでもあるのだが、ラグマットの上では前後に動かす抵抗がかなり大きくなる点は知っておいた方がいい。
悪いところ2:グリップを握ったまま「片手」で電源ボタンを押せない
2つ目の弱点が、「グリップを持った状態でボタンを押すのは無理(片手操作ができない)」という点だ。
右手でグリップを持った状態(1枚目)からでは天面の電源ボタンに指が届かず、無理に親指を伸ばそうとするとグリップから手が離れてしまう(2枚目)。
そのため、右手でグリップを持ったら左手でボタンを押すような「両手操作」になる。ここが片手で操作できたらもっと良かったと感じる。
悪いところ3:やっぱり普通に重い & 低い場所の掃除は手首の負担が大きい
3つ目は、「本体の重さ」と「低い場所を掃除するときの手首の負担」だ。
運用するときの持ち手や重心の改善があったのか、スペック上の重量差(V500が約2.6kg、V800が約3.2〜3.35kg)はそこまで感じず、V500と同じくらいの重量感には抑えられている感覚がある。
ただ、V800でハンドルが最適化されたからといって重さがなくなったわけではない。
そもそもV500の時点で重いため、V800も普通に重い。パートナー(女性)に持ってもらった際も「重い、ムリ」という反応だったため、引き続き女性の使用はしんどいかもしれない。
また、ソファの下などを掃除する際は、グリップ形状の違いでV500より手首の負担が大きくなる。
- V500(左側):上から掴むことができるグリップなので、本体の横からでも操作しやすい。
- V800(右側):水平に寝かせると上から掴めず手首の負担がやや大きい。本体の後方からしゃがんで操作する形になる。
ただ、この問題を解決しているのがさらに上位機種のUWANT V800ultraだ。
UWANT V800ultraはノズル(スティック)が曲がる形状で、ここで指摘したようなローアングルの掃除をしやすくしている。
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悪いところ4:本体の自立・壁への立てかけはほぼ不可能
4つ目は、「本体の自立や壁への立てかけはほぼ不可能」という点だ。
壁に立てかけてみたが、左右に倒れかねないうえ、車輪の転がり抵抗が下がっているからすぐ足元が転がって倒れる可能性が高い(2枚目の写真)。
そのため、掃除の途中で手を離すときは基本的に床に寝かせるか、ステーションに戻して立てる運用になる。
UWANT V800とV500のスペック・特徴比較表
前モデル「UWANT V500」と「UWANT V800」の違いを表にまとめた。
| 比較項目 | UWANT V500 (コスパモデル) |
UWANT V800 (フラッグシップ) |
|---|---|---|
| ヘッドのブラシ構造 | 従来の回転ローラー式 (毛が巻き付く・粒ゴミを弾くことあり) |
回転ローラー無し「掃振ブラシ」 (毛絡みなし・ゴミを弾き飛ばさない) |
| 車輪の転がり音・抵抗 | ゴロゴロ音が大きく響きやすい | 静音化&転がり抵抗も低くスムーズ |
| 床材ごとの操作感 | フローリング・マットともに普通 | フローリングは非常に軽い (※ラグマット上は吸着が強く動きが重い) |
| 低い家具下の操作性 | 上からグリップを掴めて横から操作しやすい | 後方からしゃがんで持つ形になり手首の負担がやや大きい |
| グリーンLEDライト | 照射角 110° | 照射角 150°(広角レンズ) |
| ステーション収納方式 | 上から持ち上げて挿し込む方式 | 床を転がして押し込むプッシュイン式 (※戻す時に少し引っかかりあり) |
| 付属ノズルの収納 | 台座の外にむき出しで立てる | ステーション側面カバー内に隠して収納 |
| ダストカップの取り外し | 底面ボタンを押しながら引く(外しにくい) | 本体側面ボタンで引っかかりなく外せる |
| 自動ゴミ収集・清掃 | 吸引のみ(紙パック容量:2L) | スクレイパー掻き落とし+3回吸引 (紙パック容量:3L・V500と互換性なし) |
| 最大吸引力・モーター | 最大 50,000Pa | 最大 65,000Pa(950Wモーター) |
| 連続稼働時間 | 最長 約60分(強:約20分) | 最長 約90分(標準約55分/強約25分) |
| 重量感・自立可否 | 約2.6kg(重い・自立不可) | 約3.2〜3.35kg(普通に重い・壁立てかけも不可) |
まとめ:毛絡みとゴミ捨ての手間を減らしたいなら有力な選択肢
今回はUWANTのコードレス掃除機「UWANT V800」をレビューした。
- ◎ おすすめな人:ラグマットや床の「髪の毛・ペットの毛がブラシに絡まるストレス」から解放されたい人、粒ゴミを弾き飛ばさず確実に吸いたい人、ダストカップの掃除まで自動で綺麗に保ちたい人、マンションでV500の車輪のゴロゴロ音が気になっていた人
- × 向かない人:軽量スティック掃除機のように女性が片手で軽々と扱いたい人、ラグマットの上や低い家具の下でも軽い力で動かしたい人
最初は「回転ローラーが無くて本当に大丈夫なのか?」と疑問だったが、実際に掃除してみるとゴミを前後に弾き飛ばすことなくその場で確実に吸引でき、なおかつブラシに毛が残らない「掃振ブラシ」は非常に実用的だった。
また、V500で気になっていた「車輪のゴロゴロ音の静音化と転がりの軽さ」「ステーション内へのノズル収納」「ダストカップの取り外しやすさ」など、細かい部分の使い勝手も着実に改良されている。
本体の重さやラグマット上での動きの重さ、両手でのボタン操作といったクセはあるものの、「掃除後の毛絡み取りやゴミ捨ての手間をできるだけ減らしたい」という人にとっては検討する価値のある1台だ。
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